おしゃくしさま お地蔵さま祭り病が治り評判に

2020年7月15日 05時00分 (8月19日 15時13分更新)
お願いすると病気が治ると評判になったと伝わるお地蔵さま

お願いすると病気が治ると評判になったと伝わるお地蔵さま

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◆山伏の呪いで大金持ちが破産

 昔、昔の話です。
 蒲島村(今の浜松市南区西町)に大金持ちが住んでいました。
 ある日、客と囲碁を楽しんでいると、山伏が訪ねてきました。何度か呼ぶ声が聞こえたものの、主人はそのまま囲碁を続けました。
 山伏は、しばらく待っていましたが、誰も出てきません。しびれを切らし、怒りにまかせて呪いの「伏せ貝」を吹いて帰りました。
 「おや、今の吹き方はうわさの『伏せ貝』では?」
 「『伏せ貝』を吹かれると、財産をなくし、家が滅びてしまうらしいぞ」
 「囲碁はやめだ。山伏に許してもらわなければ」
 主人は急いで山伏を追いかけ、非礼をわびました。
 「先ほどは失礼しました。囲碁に夢中になり、せっかくお訪ねくださったのにお相手ができませんでした。聞き間違えかもしれませんが、『伏せ貝』を吹かれたようですが」
 「いかにも『伏せ貝』です」
 「『伏せ貝』を吹かれた家は滅びてしまうとか。何とかお許しを」
 「『伏せ貝』は一度吹くと、どうにもなりません」
 主人がどんなに謝っても聞き入れてもらえません。滅びるくらいなら、主人の財産を好きなだけ分けてもいいと言ってもだめです。
 どうにもならない主人は、山伏を斬り殺してしまいました。「伏せ貝」を吹かれた上に、人を殺してしまった主人は、悔やんでも悔やみきれません。
 あれほど大金持ちだった主人の家は、あっという間に散財し、ついに滅んでしまいました。
 不思議なことに、山伏が殺された辺りは、草も木も何一つ生えなくなりました。
 不吉なことが続いたので、村人は貴船神社の入り口(今の浜松市南区富屋町)に、お地蔵さまを祭ることにしました。
 すると、このお地蔵さまにお願いすると病気が治る人が次々に現れ、評判になりました。願いがかなって元気になった人は、お礼におしゃくし(おしゃもじ)を供えました。
 こうしてお地蔵さまは「おしゃくしさま」と呼ばれるようになったのです。

<もっと知りたい人へ>
見学場所:おしゃくしさま(地蔵)
貴船神社(浜松市南区富屋町1の1)入り口付近

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