歴史ひもとく古瓦 坂本城跡から出土、大津で企画展
2020年7月15日 05時00分 (7月15日 05時00分更新)
会員限定
大津市滋賀里の市埋蔵文化財調査センターで、市内から出土した古瓦を紹介する企画展が開かれている。入場無料で、十月九日まで。 (土井紫)
展示室には、普段は収蔵庫で保管されている古瓦七十点がずらり。役に立たないものの代名詞のように言われる「瓦礫(がれき)」も、知られざる歴史をひもとく「宝」になるという視点で、職員の青山均さん(63)が加えた解説が興味深い。
ひときわ目をひく赤い瓦は、明智光秀の居城・坂本城跡から出土したもので、一五八二年に炎上した際、黒い瓦が焼けたものと考えられてきた。しかし、青山さんは「色にむらがない瓦の状態から、もともと赤かったことが分かる」と分析。一緒に出土した黒い瓦と掛け合わせ、華やかな瓦ぶきがされていたと推測する。
また、全国で大津にしかない、さそりが描かれたような不思議な模様の瓦や、かつての近江守(おうみのかみ)・藤原仲麻呂のお気に入りだった瓦など、ユニークな展示があり、謎多き滋賀の歴史に迫る楽しさを味わえる。
十七日と九月十一日には、ミニ講座と展示解説も行う。午前九時〜午後五時、土日・祝日は休館。
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