住設環境機器メーカー ニッコー(石川県白山市)

2020年7月14日 05時00分 (7月14日 11時47分更新)
絵本を通じて浄化槽の役割や水の大切さを呼び掛けるニッコーの三谷明子社長=石川県白山市で

絵本を通じて浄化槽の役割や水の大切さを呼び掛けるニッコーの三谷明子社長=石川県白山市で

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  • 最重点目標

絵本通じ浄化槽普及


 住設環境機器メーカーのニッコー(石川県白山市)は、浄化槽をはじめとする環境配慮製品を通じてSDGsの目標(6)「安全な水とトイレを世界中に」の達成を目指している。昨秋には子どもたちが汚水処理の大切さを学ぶための絵本も製作し、東南アジアなどのインフラ設備が整っていない地域での普及に本腰を入れ始めた。
 「王さまは、妖精たちが入った大切な箱を水の流れている地面にそっとうめた」「妖精たちは、流れてきた水の中の汚れたものをどんどんきれいにしていった」
 ニッコーが製作した絵本「水の王さま」の一幕だ。人間が汚れた水をそのまま川に流しているところを見た王さまが、妖精の入った箱(浄化槽)の力で汚水を処理して「地球の水をいっしょに守ろう」と呼び掛ける。イラストレーターのてづかあけみさんが絵と文章を担当し、社員らが知恵を出し合って物語を考えた。
 同社の浄化槽は約三年前のベトナムでの展示会を機に、東南アジアや中東など世界各国から引き合いが来るようになった。絵本は海外進出に当たって「何か浄化槽のことをアピールできるツールがほしい」と発案した。
 昨年八月に三谷明子社長がミャンマーを訪ねた際、政府関係者に絵本の計画を話したところ「浄化槽普及への市民の理解につながる」と賛同を得たため、急ピッチで製作。同十一月には現地に百冊を寄贈した。
 日本でも業界トップの省エネ性能を誇る浄化槽の新商品「水創り王」の発売に合わせ、この夏から無料配布する。新型コロナウイルスの影響で予定より遅れたが、三谷社長は「水をきれいにすることの大切さを子どもや大人たちに喚起したい。学校の図書室などに置いてもらうなど何らかの形でお届けできれば」と話す。
 浄化槽以外でも、次世代自動車に対応した基板の開発や陶磁器の規制物質の抑制、女性が活躍できる職場環境づくりといった活動をSDGsの目標と関連づけた。
 SDGsを意識することで、陶磁器事業でリサイクルの新たなアイデアが生まれたほか、社内文書を電子化するペーパーレス化も動き始めた。「環境を一つのキーワードとして、いろんなことに取り組もうという機運が高まってきた」と三谷社長。SDGsが新たな発想を生み出す力にもなりそうだ。(中平雄大)

【会社メモ】1908年に日本硬質陶器として創業。83年に現社名となり、89年に名証2部に上場した。陶磁器のほか、家庭用浄化槽を手掛ける水創り事業部、システムバスのバンクチュール事業部、環境プラント事業部、機能性セラミック商品事業部がある。2020年3月期の連結売上高は134億2200万円。連結の従業員数は20年3月末で639人。

【メモ】SDGs=「誰一人取り残さない」という考え方のもと、人種や性別、地域などを超えて地球上のみんながそろって幸せになることを目指す国連の目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」など17のテーマ別の目標がある。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。


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