“モンゴル抑留”取り上げた中京テレビ番組が全国審査会に出品…モンゴル出身の記者「知ってもらうきっかけになれば」

2020年7月11日 23時04分

このエントリーをはてなブックマークに追加

ドキュメンタリー番組「バヤルタイ~モンゴル抑留72年越しのさようなら」で元孤児の女性と再会する友弘正雄さん(右)=中京テレビ提供


 中京テレビ(名古屋市中村区)のモンゴル出身の報道局記者、オユーンチメグ・ホンゴルズルさん(39)らが制作したドキュメンタリー番組が日本民間放送連盟賞中部・北陸審査会で1位を獲得し、全国審査会に出品された。第二次世界大戦後の日本人のモンゴル抑留を取り上げた意欲作で、ホンゴルズルさんは「日本人にもモンゴル人にもほとんど知られていない事実を知ってもらうきっかけになれば」と願う。
 番組名は「バヤルタイ~モンゴル抑留 72年越しのさようなら」。ホンゴルズルさんが報道記者になった2011年、モンゴルの新聞で抑留経験のある日本人のインタビューを読んだ。「抑留について自分がほとんど知らないことがショックだった」。その日本人が所属していた「モンゴル会」に毎年参加。会に集まった抑留経験者の1人が、番組に登場する友弘正雄さん(95)。8年ぶりにモンゴルを訪れるとの連絡が入り、昨年6月、同行した。
 友弘さんは、戦後2年間、ウランバートルに抑留された元軍人。番組によると、シベリア抑留者とは別に1万2000人がモンゴルに移送され、1600人が犠牲になったという。凍傷にかかった当時20歳の友弘さんは「なんとか生きて帰りたい」と両足を切断したが、「亡くなった戦友への負い目、申し訳ない気持ちがある」と過去40回以上、義足で慰問。昨年6月の訪問では、切断した病院、抑留者慰霊碑などを訪れた。

ドキュメンタリー番組「バヤルタイ~モンゴル抑留 72年越しのさようなら」を制作した中京テレビのオユーンチメグ・ホンゴルズル記者


 ホンゴルズルさんは留学や愛・地球博のモンゴル館通訳として日本に滞在し、取材を受ける立場からテレビ報道に興味を持った。2006年から中京テレビで働き、報道記者としては10年目。番組プロデューサーの横尾亮太さんは「彼女にしかできない取材があり、うちの局の宝。日本語は助詞も間違えないレベル」と信頼を寄せる。
 番組は、昨年から今年にかけ、内容を更新し3回放送。「友弘さんらが慰霊を続けたことが2国間の土台になり、今の私につながっている」とホンゴルズルさん。役所や劇場は強制労働で建設され、母校、モンゴル国立大学も抑留者が建てた。「校舎のどこかに日本人抑留者がつくったという碑文ができれば」。続編制作も考えている。
 審査結果は9月に発表される。

関連キーワード

PR情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ