証言・日野町事件 (6)最後の「侍」 作山哲平(大津支局)

2020年7月12日 05時00分 (7月12日 05時00分更新) 会員限定
刑事司法制度を考える集い「えん罪の防止と救済」で発言する玉木昌美弁護士=昨年4月、大津市内で

刑事司法制度を考える集い「えん罪の防止と救済」で発言する玉木昌美弁護士=昨年4月、大津市内で

  • 刑事司法制度を考える集い「えん罪の防止と救済」で発言する玉木昌美弁護士=昨年4月、大津市内で
 阪原弘さん(服役中に発病し二〇一一年に他界)の無実を信じ、裁判初期には七人の弁護人が立ち上がった。その後、三十年、最後の「侍」として残ったのが、主任弁護人の玉木昌美弁護士。六月九日、肝がんにより、六十四歳で亡くなった。
 玉木弁護士が事件に関わり始めたのは、まだ三十代の青年だったころ。「勉強のために参加をさせてください、と手弁当で弁護団に加わってくださった」。阪原さんの長女・美和子さん(57)は当時を回想する。
 玉木弁護士と同年で、当初から弁護団のメンバーだった山本啓二弁護士(64)=現・金沢弁護士会=は、一審判決を待つ当時の心境を振り返る。
 「『やった(勝てた)!』と思ってました。検事は、立証の不十分さを認めて、半分白旗あげたと思っていた」
 山本弁護士は「無実 無罪」と大書した旗を用意していた。だが、弁護団と家族らの無罪の確信は判決の日、予想もしない「無期懲役」の判決に打ち砕かれた。その裏に驚くべき裁判所の「ルール違反」があったと知るのは、判決翌年のことだった。

検事に訴因変更促す

 「裁判官が検察誘導 大津地裁 求刑直前に法廷外で 『有罪』前提に?訴因追加」
 そんな見出しで報じた毎日新...

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