食堂店主「うちに泊まって」 旅行者へ無料提供 小松・みさおちゃん

2020年7月10日 05時00分 (7月10日 05時03分更新)
自宅への無料宿泊を企画した松本百合子さん=小松市矢崎町で

自宅への無料宿泊を企画した松本百合子さん=小松市矢崎町で

  • 自宅への無料宿泊を企画した松本百合子さん=小松市矢崎町で

食事は店で/「人の喜ぶ顔 生きがい」

 小松市矢崎町の食堂「みさおちゃん」店主の松本百合子さん(73)が、旅行者に加賀市高塚町の自宅を無料で使ってほしいと呼び掛けている。その代わり、できる限り、食堂で食事してもらう。松本さんは「みんなの喜ぶ顔が見たい」と話している。(長屋文太)
 食堂は二〇一八年五月、オープンした。ランチは税込み五百円。煮魚、豚カツ、刺し身などの日替わりの主菜に、ご飯、みそ汁、副菜が付き、人気を集めている。松本さんはこれまで何店もの飲食店を経営し、社員食堂や旅館でも働いてきた。「包丁を握って五十七年。味に自信がある」と胸を張る。
 きっかけは二月、ツーリングで栃木県から食堂を訪れた二人の男性客からの問い合わせだ。「どこか安い宿泊先はないか」と相談され、自宅に泊めようと思い付いた。二人はランチを食べた後、夜に再び、食堂に戻って酒も飲んだ。バイクは店に止めたまま、松本さんが自宅まで車で送って泊めた。松本さんは六人の子持ちだが、いずれも成人しており、空き部屋があり、困らなかった。翌朝、再び食堂で朝食も用意した。
 「人に喜んでもらうことが生きがい」と松本さん。人生は決して順風満帆ではなかった。元夫がギャンブル依存症。姿をくらましてから数年間、離婚が成立せずに借金を返済し続けていた。そんな時、近所の人や知人が仕事を紹介したり、子どもを預かったりしてくれた。「周囲に助けられて乗り切った。だから恩返しとして人助けをしたい」
 食堂はカラオケ喫茶も兼ねたが、新型コロナウイルス感染拡大で、六月から食堂に専念している。店名は親交がある演歌歌手の宮路オサムさんがボーカルを務めていた「殿さまキングス」の大ヒット曲「なみだの操」から名付けたという。
 宿泊は何人でも、何泊してもいい。県境を越える移動自粛が緩和されたこともあり、「多くの人が来てくれたらうれしい。自分にとっても元気に頑張るための力になる」と話している。営業時間は正午〜午後六時(応相談)。(問)松本さん090(2036)3036

関連キーワード

PR情報

石川の最新ニュース

記事一覧