<検証・日野町事件>(上)06年の再審請求棄却、倒錯した論法に批判

2020年6月30日 05時00分 (6月30日 22時25分更新) 会員限定
高裁前で、故阪原弘さんの無実を訴えて街頭活動をする支援者ら=22日、大阪高裁前で

高裁前で、故阪原弘さんの無実を訴えて街頭活動をする支援者ら=22日、大阪高裁前で

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 日野町の元工員阪原弘さん=享年七十五=が、一九八四年に女性を殺害し金庫を奪ったとして、無期懲役刑を受け病死した後、再審開始決定が出た「日野町事件」。生前の阪原さんが最後に受けた、第一次再審請求の棄却決定(二〇〇六年大津地裁、長井秀典裁判長)は、多くの矛盾を抱えた阪原さんの自白について「信用できる」とした。どのような根拠でその判断ができたのか。本紙が同決定の全文を入手して読み返すと、首をかしげたくなる記述がいくつも現れた。
 阪原さんは八八年三月、三日間続いた任意捜査の中で「自白」に落ちた。だが公判では「捜査員による暴行、脅迫を受けた」と一貫して否認。うその自白を誘発された疑いがあった。
 「請求人の自白は、その任意性に疑いはなく、信用性も十分である」
 同決定は、こう結論づけた。一方で、阪原さんの自白には「覆いをせずに、女性の遺体を軽トラックで運んだ」という内容があるなど、極めて不自然な点や、客観証拠と矛盾する点が複数含まれていた。同決定はこの点について、
 「客観的に明らかになっていた事情と必ずしも符合せず(中略)幾分不自然な部分が含まれて(いる)」
 と一部を認めていた。だが、捜査員による...

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