三重→東京、役所たらい回し コロナ失業、求めた支援なく野宿

2020年6月29日 05時00分 (6月29日 05時01分更新) 会員限定
 新型コロナウイルスの影響で仕事や住まいを失った人に、十分な支援が届いていない。生活支援を求めても、福祉の窓口で丁寧に対応してもらえない事例が相次いでいるためだ。市役所にたらい回しにされ、三重県から東京都まで野宿で転々とした、ある一人の男性(28)の足取りを追った。
 ▽すがる思い
 「悪いけど雇えなくなった。コロナで仕事がないんだ」。四月中旬、三重県桑名市の自動車工場。上司の言葉に、男性は耳を疑った。仕事のために地元・東京を離れ、約十日間の入社研修を終えた直後。寮も出ざるを得なくなった。
 所持金は数千円。仕事も貯金もなく、家族にも頼れない。四月二十日に寮を後にし、リュックと手提げを抱えて桑名市役所へ向かった。「お金も住む場所もないんです」。すがる思いで訴えた。
 「うちは小さな市だから」。窓口の職員から名古屋市に行くよう遠回しに促され、五百円とクラッカーと水を渡された。「なぜ対応してくれないのだろう」と思ったが、急がないと市役所が閉まる。五百円を使い、電車に飛び乗った。
 名古屋市ではこう提案された。「ここでも生活保護は申請できるけど、地元の東京の方がいい」。渡されたのは浜松市までの切符。そ...

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