被災地、割れる選択 「除染なしで避難解除」検討

2020年6月28日 05時00分 (6月28日 05時01分更新) 会員限定
福島県飯舘村の長泥地区=2017年3月

福島県飯舘村の長泥地区=2017年3月

  • 福島県飯舘村の長泥地区=2017年3月
 東京電力福島第一原発事故による福島県の帰還困難区域について、政府は除染をしなくても一部で避難指示を解除する検討を始めた。事故から九年過ぎてなお、国が同区域の将来像を示せない中、焦りを募らせた同県飯舘村が「解除の優先」を要望した。解除基準を緩和する形となる新たな選択肢を前に、「除染は国の責務」と求めてきた被災自治体間で足並みが乱れ始めている。

▽苦渋の決断

 「除染が(解除が決まっている地域と)同じようにされるわけではない。そこは理解してほしい」。六月初旬、飯舘村で開かれた帰還困難区域の住民説明会で、菅野(かんの)典雄村長は苦渋の表情を浮かべ参加者に語り掛けた。
 村に残る帰還困難区域の長泥地区の一部を、国は居住ができる「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)に認定。二〇二三年春の解除を目指して除染や整備を進めている。
 だが国は、同拠点外の地域は解除時期の方針を示していない。「私たちの家がどうなるのか、いつ分かるんだ」。取り残された地域の住民の声を受け、村は二月、拠点外の地域も復興拠点と同時期に避難指示を解除してほしいと国に要望。村は公園を整備する計画だ。

▽せめて解体を

 要望の背景には家屋の解体...

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