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リニア 川勝知事とJR東海社長の会談要旨

2020年6月27日 05時00分 (12月27日 19時03分更新)

会談に臨む川勝平太知事(左)とJR東海の金子慎社長=県庁で

 リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事を巡り、二十六日に県庁であった川勝平太知事とJR東海・金子慎社長によるトップ会談は予定を二十分オーバーし、一時間二十分に及んだ。会談の主なやりとりは以下の通り。 (大杉はるか)
 金子社長 水に関する心配について、説明をしたつもりでも、十分伝わっていない現実は受け止め、対応したい。有識者会議でしっかり説明に努めたい。
 リニアの一番の目的は、日本経済で大きな役割を果たしている東海道新幹線のパイパスを造ること。地震など災害に備えた抜本対策がパイパスで、早く造っていて良かったということにしたい。もう一つは、東京−大阪が一時間ちょっとで結ばれる大変なインパクト。沿線各県とも足並みそろえてやっている。国土交通相から認可を受け、責任や期待を背負っている。
 南アルプス工区は難しいトンネル。西俣から掘れば七年五カ月ほどかかる。今手を付ければ(二〇二七年の開業まで)ぎりぎりのタイミング。ぜひ斜坑を掘らせていただきたい。
 どこまでが準備工事で、どこまでが本体工事かは工事に意味付けする話なので難しいが、トンネルを掘るか掘らないかで理解いただけないか。私たちがやろうとしているのはヤード(作業基地)。坑口を掘るのではなく、樹木をならし、土を盛り、補強すること、そこまでやらせていただきたい。なし崩しに掘るなんてことはない。ぜひヤード整備をお認めいただきたい。
 川勝知事 水問題をおろそかにしていないと聞いて安心した。大井川は六十万人の「命の水」だが、渇水が起こり、流量が少ない。一度失われた水は戻らない。トンネルか水かといったら、結果は分かっている。注意してやっていかないといけない。私はリニアに反対ではない。いかに両立させるかを考えないといけない。
 金子社長 太田昭宏国交相(当時)から工事の安全も大切、環境保全も地域と連携とりながらやってくれと(言われ)認可をいただいた。それ以来、そういう気持ちだ。
 川勝知事 国交相は地元の理解と協力を得ることが不可欠と。環境相は環境保全に十全の取り組みをすることが前提と。その責任をJR東海は負われている。西俣ヤードは大変な奥地。今工事ができる状況ではないことは現場を知れば分かる。そこで今百五十人が働いている。安全をどう守るか。救急車も入れない、ヘリも入れない。その対策をまずやってもらわないといけない。
 金子社長 条件の悪いところではあるが、道路は舗装する。看護師と救急救命士を置いて、静岡市内の病院と連携をとれるようにして、応急処置をする。安心できる形にする。
 川勝知事 静岡が二七年開業の足を引っ張っているがごとく、発言を繰り返されている。いかがなものか。
 金子社長 静岡のせいだと申し上げているわけではなく、(静岡工区は)最初に締め切りがきてしまうという切迫感から申し上げている。
 川勝知事 国交省の有識者会議からは(結論を)水資源など専門の先生に(県の)専門家会議に持って帰ってもらって、地元の方々にご説明する。有識者会議が会議のエンドではない。
 金子社長 ヤードの整備は実質的に静岡県のご判断。今駄目だと言われると、二七年は難しい、もう駄目かということになってしまう。
 川勝知事 ヤード(整備着工)の問題は、県自然環境保全条例がある。(整備の規模が)五ヘクタールを超えると、協定を結んでいただくことになる。
 金子社長 それはすぐ準備する。最終的には大井川の水を使っておられる方々が、困らないようにすることが大切で、そこまで考えて手当てをしてくれるんなら、おやりなさいよと言っていただけるようなことになるのを望んでいる。
 川勝知事 最大の理解を求めるのは国民。仮に水は戻せない、水質は悪化する、残土も崩れる、その可能性があったときにどうするのか。
 金子社長 そういう方向では考えていない。乗り越える技術があると信じている。条例が通ればいいのか。
 川勝知事 もちろんだ。専門部会でちゃんとやる。環境が保全できるかどうか。
 金子社長 条例は常識的な条文が並んでいて、専門部会とは別次元というのが私の理解だが。
 川勝知事 条例は具体的に場所を特定し、環境保全に支障があるか、委員会(専門部会)にかけ、許可か不許可が決まる。
 金子社長 ヤードは準備だけで、トンネルを掘ったりしないので、ご理解いただいて進めばいいと思っている。

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