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見極める川勝県政<2> 政治手法

2017年5月29日 05時00分 (8月11日 17時09分更新)
県都構想を巡って初めて直接会談する川勝平太知事(右)と田辺信宏静岡市長=2015年7月

県都構想を巡って初めて直接会談する川勝平太知事(右)と田辺信宏静岡市長=2015年7月

  • 県都構想を巡って初めて直接会談する川勝平太知事(右)と田辺信宏静岡市長=2015年7月
 県と静岡市の二重行政解消策として、川勝平太知事が提唱する県都構想。二〇一五年五月、大阪都構想の住民投票否決を受けた報道陣の取材で突如、構想を口にした。「静岡も二重行政の解消を目指す必要がある。静岡市を廃止して市長を副知事にする」。その二カ月後、水を向けられた田辺信宏市長との不和が表面化した。

◆過激表現、あつれきも

 構想を巡って、二人は直接会談を持った。田辺市長は法改正が困難で「不可能」との認識を示し、議論は平行線をたどった。川勝知事が「構想は君のためでも、私のためでもない」と言い放つと、田辺市長は「君というが私は市長。呼び方がずっと気になっていた」と反発した。会談を見ていたベテラン県議は「もう政策じゃない。感情論だ」とあきれ果てた。
 知事与党を自認する県議会第二会派・ふじのくに県民クラブの議員は、国特区になった沿岸部を災害に強い都市に再整備する「内陸フロンティア構想」や、学識者を登用した教育長人事を挙げ、「経済学者ならではの発想で、既存の政治家には思い付かない」と舌を巻く。一方で「自身の考えと合わない人間は敵に回してしまう時がある。最たる例の一つが静岡市だ」と頭を抱える。
 知事と市長の関係にひびが入ったのは直接会談より前の一四年。主要国首脳会議(サミット)と関係閣僚会合の県内誘致を巡るすれ違いが原因だ。知事は田辺市長、鈴木康友浜松市長とともにサミットを県内に誘致する意向を表明。しかし、田辺市長は知事に説明しないまま誘致を断念する意向を外務省に伝えた。知事は国会議員から「断念」の経緯を聞かれて、初めて状況を知り「誘致の方針は一切変わっていない」と外務省にあらためて伝えたが、結局誘致は不調に終わった。以降、知事の田辺市長への風当たりは強まった。
 「静岡市は政令指定都市の失敗事例だ」「防災先進県の顔に泥を塗った。このような市長がいることは本当に恥ずかしい」。一六年末の「県・政令指定都市(G3)サミット」や、静岡市が桜ケ丘病院(清水区)の移転先を市清水庁舎に決めた後の今年三月の定例会見などで、知事は市への批判を繰り返す。
 静岡市内選出の県議はこう指摘する。「県都構想も桜ケ丘病院も、知事の考えは問題提起としては間違っていない。ただ、表現が過激だから、売り言葉、買い言葉になってしまっている」

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