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リニア必要性変わらない 愛知・大村知事に聞く

2020年6月25日 05時00分 (12月27日 19時05分更新)

リニア中央新幹線は絶対必要と強調する愛知県の大村秀章知事=名古屋市中区で

 リニア中央新幹線の二〇二七年開業は必達−。静岡県を除くリニア沿線の九都府県でつくる建設促進期成同盟会の会長を務める愛知県の大村秀章知事(60)はそう繰り返してきた。昨年九月には川勝平太知事とも面会し、早期着工への同意を促した。世界が新型コロナウイルスに直面した今、「リニアは絶対必要」との考えに変わりはないのか。 (聞き手・大杉はるか)
 −新型コロナを経験し、社会にはどんな変化が起きるか。
 われわれはまだ感染症と闘っているが、ワクチン開発でコロナを克服しても、在宅勤務やリモートでのビジネスや社会活動、オンライン教育は定着すると思う。リモートは活用するが、人と人との(直接の)コミュニケーションも不可欠だ。
 −リモートが増えれば、新幹線やリニアの需要が減るとの見方もある。
 時間は少しかかるかもしれないが、新幹線の需要は必ず戻ると思う。首都圏・中京圏・関西圏という大都市圏域は、ビジネス上の高度経済圏域だ。リモートを使いつつ、人が高速移動で直接コミュニケーションをしながら仕事をする重要度は変わらない。ポストコロナの時代になっても、リニアの必要性は変わらない。
 −人が動くことが感染を拡大する要因になる。
 ワクチンによって感染症は必ず克服できる。人工知能(AI)やスーパーコンピューターを使うから、ワクチン開発のスピードは、かつてとは全然違う。今の状態が続くとは考えられない。克服したときに、高速移動手段のリニアは不可欠だ。
 −川勝知事は着工に合意していない。
 東京から大阪までの(沿線自治体の)総意として、二七年度の開業は必ず達成してもらわないといけない。人口減少下にある日本経済を引っ張る数少ない巨大プロジェクトで、日本中の期待を背負っている。
 −JR東海は六月中にヤード(作業基地)整備に着工しないと二七年の開業は難しくなるとしている。
 本体工事には河川法の許可がいる。手続き上、ヤードの工事が始まったからといって、ただちに本体工事に連動しない。まずはヤード工事には取り掛かり、本体工事までに議論すればいい。
 −県民は大井川の流量減少を懸念している。
 静岡の皆さんの懸念は第三者の専門家(国土交通省の有識者会議)が検証分析し、しかるべき対策をとってもらう。科学的データと証拠に基づき、対策を出してもらう形で、折り合いはつけられると思う。大井川水系に影響がないという客観的証拠があれば、理解いただけるのではないか。今の技術で環境を守ることは必ずできる。(リニアが開通すれば)東海道新幹線が増発するから、静岡にもメリットがある。
 −有識者会議は三回会合を開き、論点を整理している。
 会議を急いでいただき、検証分析することがまず必要。大井川は国が管理する一級河川(上流部の管理は知事に任されている)だから、国が水量に責任をもつ。リニアは国策事業。(万が一の際の補償は)事業主のJRが一義的だと思うが、国も大井川の管理者として流域住民に責任をもつことは当然ではないか。

 おおむら・ひであき 1960年、愛知県碧南市生まれ。東京大法学部卒。農林水産省入省。96年から衆院議員を5期務める。2011年から愛知県知事(3期目)。リニア沿線の9都府県でつくる建設促進期成同盟会の会長として、19年9月、川勝平太知事と会談した。川勝知事は大井川の流量減少への懸念を説明し、大村知事は早期着工の必要性を訴えた。


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