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ビッグイシュー フェアトレード専門店が販売拠点

2020年6月24日 05時00分 (6月24日 05時03分更新)

ビッグイシューを販売している「晴天」の三室千菜美さん=浜松市東区で

 路上生活者(ホームレス)自身に街中で販売してもらい、自立を促す雑誌「ビッグイシュー日本版」は県内では、フェアトレード専門店で販売されている。ボランティア団体「静岡読者会」(静岡市清水区)と専門店二店が連携する。 (保坂千裕)
 英国で創刊され、日本版はホームレスが最多となった二〇〇三年に発行した。最近はホームレス自身の手売りに加え、定期購読や店舗でも販売する。仕入れの拠点がなかった県内での認知度は低い。
 一九年十月、愛読者だった清水区の大滝正さん(64)が「静岡読者会」を立ち上げた。浜松市東区のフェアトレード専門店「晴天」の店主、三室千菜美さん(42)は十五年来の購読者。「良いモノを置きたい」という店の方針に合致した。

フェアトレード専門店で打ち合わせをする大滝正さん(左)=静岡市葵区の「Teebom」で

 静岡市葵区の「Teebom」は昨年十一月に販売開始。既存の常連客に受け入れられ、当初は四冊だった販売数を、五月には八冊に増やした。路上販売者のための衣類の寄付を受け付けるなど、読者会と連携している。
 「ビッグイシュー日本」東京事務所の佐野未来所長は「拠点がない県ではボランティアが頼み」と話す。ボランティアがフェアトレード専門店と連携して販売する例は、県内が初めてという。
 大滝さんは「ビジネスとして貧困層を支援するという共通点があり、フェアトレード専門店の客にはビッグイシューが受け入れられている。ビッグイシューの存在や社会性の質が高い記事を発信していきたい」と話す。

 <ビッグイシュー> ホームレスの自立を目的に英国で創刊。日本版の販売価格は1冊450円で、230円が路上販売者の収入になる。今年3月までに、総額13億4000万円を路上販売者に還元した。現在は約100人が路上販売者として登録している。厚生労働省のまとめでは、2003年に2万5000人いたとされる路上生活者は、19年に5000人に減った。当初の目標「ホームレスをなくす」に近づきつつあるが、ゼロには依然遠く、販売元が赤字になる「ジレンマ」を抱えている。


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