地方中小のお助けマン 首都圏の大企業社員 副業で参画

2020年6月24日 05時00分 (6月24日 09時59分更新)
四十萬谷本舗の社員にインタビューをする横町暢洋さん(左)=金沢市で(四十萬谷本舗提供)

四十萬谷本舗の社員にインタビューをする横町暢洋さん(左)=金沢市で(四十萬谷本舗提供)

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金沢 四十萬谷本舗で新事業立ち上げ


 首都圏の大企業で働く社員が副業制度を活用し、かぶら寿司(ずし)製造の四十萬谷本舗(金沢市)の新事業の立ち上げをサポートしている。派遣したのは人材マッチング事業を手掛ける協働日本(東京)。都市部にいながら自らの専門知識やノウハウを生かし、地方の中小企業が抱える課題の解決に貢献できる新しい働き方として提案していく考えだ。(蓮野亜耶)
 四十萬谷の顧客層は六十〜八十代が中心で、消費量が年々減少しているのが悩み。専務の四十万谷正和さん(36)は「新たな顧客の創造や販売方法の多角化を」と考えていたが、有効な手だてが思い付かなかったという。協働日本の村松知幸社長(38)が以前、同じ職場で働いていた縁もあり、最初の契約先となった。
 派遣されたのは、大手メーカーでマーケティングを担当する若山幹晴さん(32)と、別の会社でITを活用した業務改善に取り組む横町暢洋さん(40)の二人。
 まず一月中旬に横町さんが金沢市内の四十萬谷の販売店で、顧客や従業員に接客での課題やトレンドなどの聞き取り調査を実施。その結果をもとに若山さんがライフスタイルやどんな雑誌を読むのか、行きつけのカフェはどこかなどを細かく肉付けし、ターゲットとする人物像を練り上げていった。
 四十万谷さんは「新たな顧客は発酵に興味がある若い女性としか考えていなかったが、具体的な客の顔が見えてくると、できること、やれることが明確になってきた」と話す。
 三人はテレビ電話などで会議を続け「もっと深く顧客とつながれるように」と物販と漬物づくりなどの体験講座、飲食を一体化させた新事業を決定。新型コロナウイルスの影響で進捗(しんちょく)は少し遅れているが、今はオンライン教室を充実させるつもりという。
 「首都圏で働く人には地方を盛り上げたいという人は多いが、移住はハードルが高い」と村松さん。「大企業では副業を解禁する企業が増えており、派遣事業を通じて地方を元気にしていくことができるはず」と話す。金沢で成功モデルを確立し、三年後に全国展開を目指すという。

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