県立大開発ピカツンタ 福井の産地品種銘柄米に 大粒で倒伏に強い 

2020年6月23日 05時00分 (6月23日 09時41分更新)
コシヒカリ(左)より茎が太く、倒伏に強いピカツンタ=あわら市の県立大あわらキャンパスで(同大提供)

コシヒカリ(左)より茎が太く、倒伏に強いピカツンタ=あわら市の県立大あわらキャンパスで(同大提供)

  • コシヒカリ(左)より茎が太く、倒伏に強いピカツンタ=あわら市の県立大あわらキャンパスで(同大提供)
  • コシヒカリ(左)よりも一回り大きいピカツンタの玄米

 県立大は、米の新品種「ピカツンタ」を開発し、福井県の産地品種銘柄となったと発表した。コシヒカリを人工的に突然変異させて改良した品種で、粒が大きく、コシヒカリの弱点とされている倒伏にも強いのが特長。今秋に県内の店頭に並ぶ。関係者は収穫量が増えることで、農家の所得向上にもつながると期待している。 (長谷川寛之)
 ピカツンタは、コシヒカリの種もみをエチルメタンスルホン酸(EMS)で処理して、突然変異を誘発する方法で育成した。米の遺伝子を研究する生物資源学部生物資源開発研究センターの三浦孝太郎准教授(39)が、粒の大きい変異体を発見し、二〇一三年から品種育成を本格化。一六年に品質が安定し、試験栽培を経て一八年に品種登録を申請していた。今年四月に国から福井県の産地品種銘柄に設定された。
 コシヒカリと比べて、粒が一回り大きいのが最大の特長で、粒の大きさをそろえるため一定の網目のふるいで選別した際に発生する「くず米」の割合が低くなる。茎も太いため倒れにくく、倒伏による品質低下のリスクも少ない。十アール当たりの収穫量が、コシヒカリに比べて10〜15%多く見込めるという。
 名前は学内で公募。「太陽を受けてお米がピカピカ光るイメージ」と、「笑っつんた(笑ってしまった)」など福井弁の語尾に使う「つんた」を組み合わせた「ピカツンタ」が採用された。
 二〇年産は県内十一戸の農家が、計四十ヘクタールに作付けし、約二百トンの収穫を見込む。
 三浦准教授は「コシヒカリに比べて10%程度農家の所得向上も期待できる。粒が大きいので食べ応えのインパクトがあり、コシヒカリよりも甘みがあるという声も多い」とアピール。「やっと県産米として店頭に並ぶことになった。県民の皆さんに食べてもらえるのを楽しみにしている」と話した。

 産地品種銘柄 農産物検査法に基づき都道府県ごとに定められており、産地と品種を明確化して流通させるのが目的。米と麦、大豆、そばが対象。農産物の特徴を産地ごとに把握する必要があるため、3年程度栽培する必要がある。


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