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「自己学習力」高めるには 「けテぶれ」ノート学習広がる

2020年6月25日 00時00分 (6月25日 13時41分更新)
「けテぶれ」学習法を実践する児童の自習ノート

「けテぶれ」学習法を実践する児童の自習ノート

  • 「けテぶれ」学習法を実践する児童の自習ノート
  • 友達の自習ノートを見て、まねしたい点を付箋に書き込む児童ら=岐阜県可児市の帝京大可児小で
 新型コロナウイルスの感染拡大による長期休校は、いかに子どもたちの学ぶ機会を守るかという課題を浮かび上がらせた。今、第二波に備える動きの中で、「自己学習力」が見直されている。自ら学ぶ力を伸ばす取り組みをしている現場からは「量より中身」「友人や家族とともに」などのポイントが見えてきた。 (北村希)
 約三カ月の休校を経て再開した岐阜県可児市の帝京大可児小。今月中旬、朝時間に五年生の児童が「自習ノート」を見せ合い、まねしたいことを付箋に書いた。「しっかり分析していて、いいね!」「点数を付けているのがいい」。担任の土田陽介教諭は「いいと思ったことを、次に生かしてね」と呼びかけた。
 目標に向けた「計画」、実力を自分で測る「テスト」、その「分析」、弱点を克服するための「練習」。二年前から、宿題を課す中で自習の鍵となるサイクルの頭文字を取った「けテぶれ」と呼ばれる学習法を実践している。自習ノートの中身は児童が考え、何を書いてもいい。イラストや色を付けてモチベーションを保つ子もいる。
 土田教諭は、他の児童の工夫を学びながら自分に合った学習法に気付けるよう、ノートを見せ合う時間を大事にする。単元テストなどの「目標」を定期的に与えることで動機付けをし、結果にどうつながったかを認識させている。自由度が高い分、保護者の理解を得るのに時間がかかるが、最近は「あんなに嫌いだった勉強を自分からするようになった」との声も届く。
 とはいえ、児童のやる気には個人差がある。「けテぶれ」を実践する静岡県掛川市西郷小の石津まりこ教諭は「その子なりの成長を認めていくのが重要」と話す。提唱者である兵庫県内の小学校教諭葛原祥太さんは「けテぶれは、教師も保護者も子を信じて任せようという考え方」。親は監視するのではなく、一緒に悩み、喜ぶのが大切という。
 ベネッセコーポレーションが五月に全国の約二千八百世帯に実施した調査では、約半数が「子どもが学習のペースを作れない」ことが不安だと回答。「学校の課題や自主学習アプリもあるが、なかなかやる気がわいてこない」などの自由回答があった。
 「勉強が嫌いとか、やる気が出ないのは、学習のやり方をつかんでいないから」と話すのは、自習を中心とする「慶早進学塾」(岐阜市)の塾長、鴨井拓也さん。生徒には自力で問題を解き、できないところを徹底的に理解し、何度も繰り返すよう指導する。
 できないところは「なるほどこういうことか」と気付きが得られるまで、時には友達や先生の力を借りて取り組むのがポイントという。「見守る大人も、学習時間や量に目が行きがち。中身に着目してみてほしい」とアドバイスする。
 文部科学省は今月、休校による学習の遅れを取り戻すため、小中学校の教科書のうち約二割を家庭学習などの授業外で補えるとする通知を全国の教育委員会に出した。感染の第二波が来ると再び休校になる可能性もあり、自ら学ぶ力が重要度を増している。

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