「使い捨てない」宣言 石川樹脂工業(石川県加賀市)  

2020年6月18日 05時00分 (6月18日 12時01分更新)
「使い捨てプラスチックの概念を覆す商品で持続可能な社会づくりに貢献したい」と話す石川勤専務=石川県加賀市の石川樹脂工業で

「使い捨てプラスチックの概念を覆す商品で持続可能な社会づくりに貢献したい」と話す石川勤専務=石川県加賀市の石川樹脂工業で

  • 「使い捨てプラスチックの概念を覆す商品で持続可能な社会づくりに貢献したい」と話す石川勤専務=石川県加賀市の石川樹脂工業で
  • 最重点目標
  • 曲げても割れないカップ「プラキラ」(石川樹脂工業提供)
  • トライタンとガラスを混ぜた新素材で作った「エイラス」(石川樹脂工業提供)

耐久性高いプラ製品に特化


 「プラスチックはすべてが悪ではない。使い捨ての概念を覆す商品で世の中に貢献する」。そんな思いを抱き、プラスチック製品メーカーの石川樹脂工業(石川県加賀市)は二月、持続可能な生産を目指す「サステナブル宣言」をした。
 宣言では、自社ブランドを「トライタン」と呼ばれる樹脂素材だけを使って製造すると決めた。トライタンは、どんなに曲げても落としても割れない。ガラスと見間違えるほどの透明感や、耐熱性も兼ね備えている。専務の石川勤さん(36)は「耐久性と美しさが同居した素材。使い捨てではなく、長く使ってもらえる、持続可能なものづくりに適している」と胸を張る。
 一つの素材のみで回収、リサイクルすれば、素材ごとにより分けるコストを減らせる上、集めたプラスチックを溶かして別の商品に加工しやすい。限りある資源を生かしながら生産を続けることでSDGsの目標(12)「つくる責任 つかう責任」の貢献につなげる。
 しかし、社内ではサステナブル宣言を巡って議論が起きた。外食産業向けの食器や仏具、新幹線のレールをつなぎとめる特殊な部品など、取り扱うプラスチック素材は百種を超える。「成型を担う企業が単一の素材でしか製造しないと、受注の幅を狭めるのでは」との意見もあったのだ。
 「相当、迷いました」と石川さん。そこで、自社ブランドのみをトライタンで製造することにした。現在は、トライタンを使ったグラス「プラキラ」と、「エイラス」を展開している。
 プラキラは、ギフトボックスで購入した場合に「生涯割れない保証」をつけ、割れたときには無償で交換するなど、環境負荷軽減を目指した商品だ。プラキラをいち早く導入したのは、外食チェーンのサイゼリヤ。見た目が美しく、落としても割れない安全性を評価した。
 さらに、三月に発売したエイラスは、トライタンとガラスを混ぜ合わせた独自の素材を使った皿など食器類を展開する。デザイン会社のsecca(金沢市)と組み、皿の表面に凹凸をつけてソースやドレッシングが皿全体に流れないよう、樹脂ならではの加工で仕上げた。発売二カ月で売り上げは千五百万円を超え、購入者からは商品づくりに共感する声も届く。
 「使い終わったらごみになる一方的な消費から、循環型の生産、消費となる仕組みづくりを商品の開発を通して目指したい」と石川さんは意気込んだ。 (蓮野亜耶)

(会社メモ)1947(昭和22)年、木製の漆器製造業として創業。65年に石川樹脂工業を設立し、樹脂製漆器づくりを始めた。その後、香炉などの仏具や食器、雑貨製造も手掛けている。従業員は約100人。本社は石川県加賀市宇谷町。

 SDGs 「誰一人取り残さない」という考え方のもと、人種や性別、地域などを超えて地球上のみんながそろって幸せになることを目指す国連の目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」など17のテーマ別の目標がある。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。


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