NPO法人ポポロ(静岡市) 困窮者の自立支援

2020年6月18日 10時41分 (6月18日 12時55分更新)

「幅広いSOSに応えたい」と話すNPO法人ポポロ理事長の望月健次さん=静岡市葵区で

 住む場所を失った人向けの一時避難シェルター「富士POPOLOハウス」(富士市)を運営するほか、廃棄予定の食品を生活困窮者に無償で届けるフードバンク事業や障害者の就労支援など、貧困や労働問題に苦しむ人に寄り添う。
 「体を洗う水が冷たくて−」。始まりは二〇〇七年冬、現事務局長の鈴木和樹さん(39)が静岡市内でネットカフェの店長をしていた頃、中年男性客がこぼした一言だった。家がなく、公園で体を洗っていると聞いてショックを受けた鈴木さん。手助けができないかと、ホームレス支援組織を結成し、夜回りを始めた。
 活動の幅を広げようと、一〇年にNPOの任意団体POPOLO(ポポロ、イタリア語で「みんな」の意)を設立し、翌年には経済的な自立や生活保護を受給するまでの間に住む場を提供する生活困窮者支援シェルターを富士市に開業。日本初のフードバンク団体セカンドハーベスト・ジャパン(東京都)ともいち早く連携し、一三年に鈴木さんが同級生の行政書士望月健次さん(38)=現理事長=を誘って法人化した。
 シェルターの利用者は年間百二十〜百三十人。当初持ち出しだった運営費も、現在は県内全域の十二市から一時生活支援事業を受託して運営。一昨年には静岡市内にも新シェルターを作り、かつての利用者が自立をして寄付をしてくれるなど、好循環も生まれているという。
 理事長の望月さんは「行政の支援メニューも増えており、SOSを発してくれたからにはどんな相談にも応えたい」と話し、事務局長の鈴木さんは「僕たちの仕事がなくなるのが一番の目標。本当に困ったら友人や家族にも相談できないことは多く、SOSを出しやすい環境づくりを進めたい」と話した。(五十幡将之)

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