願(がん)ばる<32> 移動販売 動く限り

2020年6月18日 05時00分 (6月18日 05時03分更新)

移動販売の機材を清掃する鈴木睦人さん=浜松市北区引佐町で

 「緊急事態宣言が解除されてもイベントへの出店依頼はない。今は状況が変わるのを期待するだけです」。週末は軽ワゴン車で移動販売する「さくらクレープ ボヌール」(浜松市北区引佐町金指)の鈴木睦人さん(42)はそう話す。
 コロナ禍で地域や企業のイベントなどが相次いで中止され、二月初旬から移動販売の出番はなくなった。クレープは春から初夏にかけてが最も売れるとされ、外出自粛ムードは店舗販売も直撃した。「お客が減るのは目に見えていたが、ここまで厳しくなるとは。ちょっと甘かった」
 二〇一〇年に脱サラし、桜のエキスを使ったクレープで移動販売を始めた。店を構えたのは、その五年後。ピンクの桜色にデコレーションされたワゴン車は、キッチンなどの改装を自身で手掛けた。走行距離も十五万キロを超え、いわば相棒だ。「宣伝活動にも欠かせないが、商売の原点。先は見通せないが、動く限り乗り続けます」
 写真・袴田貴資
 文 ・赤野嘉春

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