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「無観客では選手のギャラも出せない」疲弊するジム…望まれる観客ありの早期再開【山崎照朝コラム】

2020年6月17日 18時26分

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ノニト・ドネアを判定で破ってWBSS優勝を決め、モハメド・アリ・トロフィーを掲げる井上尚弥(左)と大橋会長=2019年11月

ノニト・ドネアを判定で破ってWBSS優勝を決め、モハメド・アリ・トロフィーを掲げる井上尚弥(左)と大橋会長=2019年11月

 新型コロナウイルスの影響で、アスリートにとって観客にパフォーマンスを見せられないつらい状況が続いている。なんとも寂しい限りだ。
 それでもトップアスリートの拠点である味の素ナショナルトレーニングセンターが再開されたのは朗報で、ようやく元気を取り戻しつつあるようだ。そんなニュースに触れるとホッとした気分になるのだが、まだまだ気をもんでいる競技もある。スパーリングなどで接触が避けられないボクシングである。
 ファンが待ち望んでいるWBA&IBF世界バンタム級王者井上尚弥(27)=大橋=が本場・ラスベガスに乗り込んでWBO世界同級王者ジョンリエル・カシメロ(31)=フィリピン=と戦う3団体統一戦。4月25日に予定されていたこのカードは延びたままになっている。
 大橋秀行会長は「コロナがこんな(不透明)状況ですからね。その後なにも変化はない。新たな動きもない。本人は練習をしていますが…」と話す。実戦感覚を養うスパーリングがなかなか出来ない状態を憂慮する。精神的にもタフな井上のことだから大丈夫とは思うのだが…。
 大橋ジムは7月16日、東京・後楽園ホールでロンドン五輪銅メダリストで所属の東洋太平洋フェザー級王者清水聡(34)の“V5”戦を無観客で開催する予定にしている。「テレビ放送があっても収支は赤字ですから」と大橋会長。経費の持ち出しとなる無観客興行の厳しさをそう語る。名古屋の薬師寺ジムの場合、7月12日に愛知県内で予定していた試合を「無観客では選手のギャラも出せない」とキャンセルしたという。プロボクシングは厳しい状況に追い込まれている。
 そんな中、ボクシングコミッション(JBC)とジムの団体であるボクシング協会(JPBA)は今月上旬、観客を入れた試合を今後行うためのガイドライン設定に向けて動きだした。とりあえず無観客での試合再開を7月とし、後楽園ホールでのタイトルマッチとして16日に前述した東洋太平洋フェザー級と日本スーパーライト級。22日に日本スーパーフライ級を。27日には日本ミドル級を行うことを決めた。
 その先には徐々に観客を入れ、正常化を目指すプランがあるのだが、今後のことはまったく不透明。大きな第2波、第3波がくる可能性だってある。それでも大橋会長は「様子を見ながら前に進むほかない」と語った。ボクシングの復活のためにも観客を入れての早期再開が望まれる。(格闘技評論家=第1回オープン空手道選手権王者)

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