池の平 くぼ地に湧き水 幻の池出現

2020年6月18日 05時00分 (7月20日 14時44分更新)
お姫様親子が逃げ出したと伝えられる高根城跡=水窪協働センター提供

お姫様親子が逃げ出したと伝えられる高根城跡=水窪協働センター提供

  • お姫様親子が逃げ出したと伝えられる高根城跡=水窪協働センター提供

◆高根城お姫様親子 敵に囲まれ無念

 昔、昔の話です。
 高根城(今の浜松市天竜区水窪町地頭方)に、敵兵が攻めて来た時のことです。城主と家来は力の限り戦いましたが、落城も間近になりました。城主のお姫様は「子供たちだけでも逃がして、いつの日か、かたきをとらせたい」と、2人の子を連れて城を抜け出しました。
 水窪川までたどり着いたものの、辺りは敵兵であふれていました。お姫様は、川のふちで1人の子とはぐれてしまいました。
 「この子の命だけは、何が何でも守らなければ」
 お姫様と残った1人の子は、山の中をさまよい続けました。
 もはやこれまでかと思った時、1軒の農家を見つけました。おばあさんから水を1杯分けてもらい、お姫様親子はようやく一息つくことができました。こうしている間も、敵兵はお姫様親子を捜しているに違いありません。さらに山奥に逃げることにしました。
 お姫様親子が農家を出て間もなく、敵兵が駆け込んできました。
 「高根城のお姫様親子はどこだ。知っているなら、隠し立てせずに正直に話せ」
 敵兵に刀を突きつけられ、怒鳴りつけられたおばあさんの震えは止まりません。どうにか黙り通しましたが、一瞬、目を山の方に向けてしまいました。
 敵兵は、気配を察し、「山奥に逃げたぞ」と叫ぶと、一斉に駆けだしました。
 お姫様親子は、山を登り詰め、池の平のくぼ地に腰を下ろしました。一気に疲れが出たお姫様がまどろみかけた時です。不安に耐えきれなくなった子供が泣きだしてしまいました。泣き声はどんどん大きくなり、どんなにあやしても収まりません。
 敵兵に気付かれたお姫様親子は、あっという間に敵兵に取り囲まれてしまいました。
 お姫様の、子供だけは助けてほしいという命乞いもむなしく、2人とも池の平で殺されてしまいました。辺りは、親子の血で真っ赤に染まり、いつまでも残ったそうです。
 お姫様親子の無念の思いが募るためか、ほぼ7年ごとに池の平のくぼ地にきれいな水が湧き出し、美しい池が出来上がるそうです。

<もっと知りたい人へ>
参考HP:池の平 水窪情報サイト(水窪観光協会)

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