高校生の就活、コロナが影響 進路指導、会社見学できず

2020年6月17日 05時00分 (6月17日 11時42分更新)
ビデオ会議アプリを使ったインターンシップに参加する生徒=名古屋市北区で

ビデオ会議アプリを使ったインターンシップに参加する生徒=名古屋市北区で

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 新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、七月にスタートする高校生の就職活動にも及んでいる。生徒は休校中に進路指導が受けられず、経済の先行きも不透明で不安が広がる。オンラインによる就業体験などで支援する動きも出ている。 (河原広明)
 「もっと会社見学をできればよかった。職種だけではどんな仕事かよく分からない」。名古屋市内の工業高校三年の男子生徒は不安を語る。新型コロナの影響で、予定していた工場見学は中止。休校中は進路指導も受けられず、インターネットで企業のホームページを調べたが「先生に相談できず、自分だけで考えて良かったのか」と話す。
 経済の先行きが見通せない中、最近は「売り手市場」だった高卒採用の動向は不透明だ。高卒就職支援のジンジブ(東京)の佐々木満秀社長は「採用を行う企業数は変わらないかもしれないが、求人数は減る可能性が高い」と分析。厳しい就活を強いられる生徒の支援が必要と訴える。
 厚生労働省などは高校生の採用選考の開始時期を当初より一カ月遅い十月十六日に変更し、休校で短くなった準備期間の確保に動いた。ただ、高校は六月の授業再開後も、学習の遅れを取り戻す授業に追われ、進路指導などに十分な時間を割くのが難しい。夏休みの短縮などで職場見学の機会が減る可能性もある。
 感染の第二波も懸念される中、キャリア教育やインターンシップ(就業体験)をオンラインで実施する新たな動きが出ている。ジンジブは四月から、キャリア教育の授業をビデオ会議アプリ「Zoom」でも実施。五月には通信制高校「KTCおおぞら高等学院」の三重四日市キャンパス(三重県四日市市)などの生徒約九十人が自己分析の方法などを学んだ。
 高校生のキャリア教育を進める一般社団法人アスバシ(名古屋市)は、Zoomを活用したインターンシップを企画。広報宣伝や商品企画などの分野ならオンラインでも可能と判断し、五月には就職支援の名大社(同)などが受け入れ側として参加した。
 同社は七月に開催予定の高校生向けの合同企業説明会を題材に、参加生徒に来場者を増やす方法などを提案してもらった。山田哲也社長は「島根県から参加した生徒もいて、距離の壁が取っ払われた。今後、一つのスタンダードになるのではないか」と話す。

負担増の教員支援を

 リクルートワークス研究所の古屋星斗研究員の話 負担が激増する教員への手厚い支援が欠かせない。求人数に都道府県格差が出る恐れもあり、幅広い求人を開拓できる民間事業者などの活用を行政は検討するべきだ。高校を通じた応募を1社に限る高卒就職の枠組みの中で、複数社への応募を可能にする時期の早期化も鍵となる。選考開始時期の延期は、生徒の会社を受ける機会が減ることにもなり、複数応募による選考機会の確保が必要だからだ。大卒では当たり前のオンラインの面接や職場見学の導入も、行政がガイドラインを示すなどして後押ししてほしい。

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