本文へ移動

【石川】ミサゴ保護 歩調合わせて 能登町生息 貴重な野鳥の巣激減

2020年6月14日 05時00分 (6月15日 10時05分更新)
昨年6月に確認できたミサゴ=石川県能登町宇出津で(時国公政さん提供)

昨年6月に確認できたミサゴ=石川県能登町宇出津で(時国公政さん提供)

  • 昨年6月に確認できたミサゴ=石川県能登町宇出津で(時国公政さん提供)
  • ボラを捕獲したミサゴ=2019年1月、茨城県稲敷市で
  • ミサゴの減少を危惧する時国公政さん=石川県七尾市田鶴浜町で

七尾の調査員 危機訴え


 準絶滅危惧種の野鳥ミサゴが、生息地である石川県能登町で減っていることが、環境省希少野生動植物種保存推進員の時国公政(こうせい)さん(79)=同県七尾市=の調査で分かった。町内で昨年、ミサゴの巣四つを確認できたが、今年は一つだけ。時国さんは、松くい虫の防除事業が一因とみており「このままでは絶滅してしまう」と危機感を募らせている。(稲垣達成)
 時国さんは一九七五年から毎年、能登地方の全九市町でミサゴの営巣状況を調べ記録をつけている。能登町では累計で二十五の巣を確認した。中には十の巣が見られた年もあった。
 ミサゴは二〜三月に巣作りし、五月下旬〜六月初旬にひながかえり、八月には巣立つ。ひなの成育に成功すれば、同じ木に巣を作る習性があるという。時国さんは「冬に嵐などで巣が吹っ飛ばされても、春になれば同じあたりに巣ができてくる」と説明する。

松くい虫防除作業「事前相談を」


 能登町では昨年五月に、宇出津や市之瀬など四カ所で巣を確認。今月六日にはそのうちの三カ所を訪れ、午前五時から九時間にわたって調べたが、巣は一つも見つからなかった。「巣だけじゃない。飛ぶ姿も確認できなかった」。九日に時国さんが代表を務める県希少生物研究会の会員が残る一カ所で巣を確認した。
 時国さんは、県が民間業者に業務委託している松くい虫の防除事業が減少の一因とみる。ヘリコプターで空中から薬剤を散布しているが、巣の近くにヘリの防除地点の目印とみられる白旗が立てられていた。時国さんは「ヘリが風圧で巣を吹っ飛ばしている恐れがある」と指摘する。以前は自治体職員らと、事前にヘリの飛行ルートや巣の場所などを確認してきたが、昨年から、その話し合いの場はなくなったという。
 時国さんは「マツの木を守ることに異論はないが、せめてヘリを飛ばす前に私たちの意見を聞いてほしい」と訴えている。
 県森林管理課の担当者は取材に「業者は専門家の意見を参考に、巣がある場所を把握しており、鳥の生活環境を考慮して行っている」と説明。事前に話し合う場がなくなったことについては「業者自身で専門家を選んでおり、なぜなくなったかは分からない」と語っている。

【メモ】ミサゴ=ミサゴ科。体長54〜64センチで、翼を広げると155〜175センチになる。全体的に黒褐色だが、頭や腹、翼の下面などは白っぽい。「ピョピョピョ」などの鳴き声、目の前後を通る濃い黒褐色の線が特徴。全国に分布し、石川県自然環境課によると、県内全域でも見られる。環境省は状況によって絶滅危惧種に移行する恐れがある準絶滅危惧種に指定している。


関連キーワード

PR情報

北陸発の新着

記事一覧