証言・日野町事件 (2)写真すり替え 作山哲平(大津支局)

2020年6月14日 05時00分 (6月14日 05時00分更新) 会員限定
 引き当て捜査とは、自白が正しいか、犯行を再現させ、写真などで調書を作成する捜査をいう。日野町事件では、阪原弘さん(服役中に発病し二〇一一年、七十五歳で他界)の有罪の決め手になった。
 酒店で奪われた手提げ金庫は地元の山の中で見つかった。捜査側は、逮捕後の引き当て捜査で、阪原さんは捜査員らを正確に発見現場に案内した、と主張。道中で捜査員らを発見現場に導くように指さしている写真を、あたかも「秘密の暴露」のように見せ、有罪判決を導いた。

往路に「帰路」が混在

 ところが、現場に向かう途中と説明された、金庫の投棄場所を指し示す写真は、実は、帰り道に撮影されていたことが、大津地裁の第二次再審請求審での証拠開示で判明した。
 開示されたのは、写真のネガフィルム。弁護団が、撮影順の通りにコマがつながったネガフィルムと調書に並んでいる写真を照合すると、順番が合わず、調書で「現場に向かう途中で行き先を指し示した」かのように説明された写真は、帰り道で写した“やらせ”写真だったことが判明した。
 長男の弘次さん(59)は「帰り道で指さしをしたり、投棄現場の方向を見たりした写真を撮っている。行きの写真には、そういう写...

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