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リニア工事 知事視察同行 昨年台風影響、今も

2020年6月13日 05時00分 (6月13日 05時03分更新)
 リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事を巡り、十一日、川勝平太知事の現地視察に同行した。工事現場に通じる林道東俣線は依然、でこぼこ続きで、路肩崩落も手つかずだった。 (広田和也、写真は立浪基博)
 早朝、静岡市中心部から車で三時間北上する。JRが百四十億円を全額負担し新設を約束した県道トンネルの予定地を通り過ぎ、林道東俣線の入り口・沼平に着く。ここから県が報道陣用に手配したマイクロバスに乗り換えた。
 入り口付近こそ舗装とガードレールがあるが、数百メートルも進むと砂利道に戻った。車二台がなんとかすれ違える程度の道幅。バスは時折、上下に大きく揺れる。

椹島で導水路トンネルの建設が予定されている大井川沿いの排水出口(左奥)=静岡市葵区で

 静岡市との合意に基づきJR東海は昨年末、改良工事を始めた。JRによると、冬に凍結しやすい箇所を優先して工事している。林道の全長二七・三キロのうち、二〇二〇年度中に七・五キロを舗装する予定だ。
 四キロほど北進した地点は数百メートルにわたって道が崩落していた。昨年十月の台風19号による被害だ。白いガードレールが林道から河川敷に垂れ下がり、河川敷の仮設道には、数メートルの流木が数多く残る。
 午後、椹島(さわらじま)ヤード(作業基地)に向かう。建設途中の宿舎の横を通り、階段を下りると、工事で出た湧水を大井川に戻すための「導水路トンネル」の坑口予定地。見た目には林が広がっているだけだ。

椹島ヤードで建設中の宿舎=静岡市葵区で

 さらに北へ。工事で出る東京ドーム三杯分の土砂の置き場となる燕沢(つばくろさわ)。そのすぐ脇に、台風19号で山側から流出した膨大な土砂が堆積していた。土砂は大井川の道筋を変化させた。
 「南アルプスは生きている。人の技術で解決できる以上の力を感じた」と川勝知事の総括。知事がこだわる「作業員の安全確保」には、まだまだ時間を要すると感じた。

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