豊島名人が開幕黒星
2020年6月12日 05時00分 (6月12日 05時02分更新)
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将棋の第七十八期名人戦七番勝負第一局が十、十一日、三重県鳥羽市で指された。先手の豊島将之名人(30)=竜王とあわせ二冠、愛知県一宮市出身=が挑戦者の渡辺明三冠(36)=棋王、王将、棋聖=に百四十四手までで敗れ、初防衛に向けて白星スタートはならなかった。
対局は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、約二カ月間延期されていた。豊島名人にとっては本年度初の公式戦で、開幕前には実戦不足の不安を口にしていた。難解な終盤が続き、一度は豊島名人が盛り返した場面もあったが、最後は渡辺三冠が寄せきった。終局後、豊島名人は「久しぶりに対局したので、少しずつ調子を上げていければ」と淡々と話した。
防衛戦は三度目。昨年度の棋聖戦と王位戦はいずれも失冠し、防衛は果たせていない。だが将棋界には「タイトルは防衛して一人前」の言葉もあり、昨年十二月に史上四人目の竜王・名人の同時保持をかなえた際も「まずは防衛を頑張りたい」と会見で語っていた。
対する渡辺三冠はタイトル獲得通算二十五期を誇る第一人者だが、名人挑戦は初めて。八日に開幕した棋聖戦では、藤井聡太七段(17)の挑戦を受けている。豊島名人も二十一日に叡王戦が始ま...
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