<美術> 富永敏博展「自分の世界、あなたの世界」

2020年6月12日 05時00分 (6月12日 05時00分更新) 会員限定
 富永敏博展「自分の世界、あなたの世界」(愛知県清須市はるひ美術館=同市春日夢の森、28日まで)
 空に浮かんだ飛行船のような物体から、ソースのような赤い液体が地面にしたたり落ちてくる。子ども向けの絵本を思わせる鮮やかで明るい色彩。山や建物と同じスケールで、調味料や食べ物を組み合わせた一連の作品は、ユーモラスで軽快だ。
 富永は清須市出身の四十二歳。愛知県立芸術大や大学院で油彩画を学び、県内外のギャラリーや越後妻有アートトリエンナーレに出展してきた。絵画は想像上の場面を表現しているようだが、あくまで日常生活の中で見える情景が出発点になっている。一つ一つの作品を観察すると、地元の建物や地形が断片的な素材になっていることに気付く。描かれた木々や橋はときおり立体作品として画面から飛び出し、見る人を「自分の世界」へ誘い込む。
 本展は約一カ月の延期をへて開幕した。この春に仕上げた新作の絵画は「街はほんのり暖かい」=写真。背景の余白を埋めた赤系の蛍光色が、風景の中にぬくもりを感じさせる。「どこか切り詰めた世の中の雰囲気が...

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