ヒット作創出へウェブ会議 新潮社と勝木書店含む3店 新人作家販促に手応え

2020年6月11日 05時00分 (6月11日 09時43分更新)
ウェブ会議を踏まえ、目立つ場所に新人作家のデビュー作を陳列することを決めた樋口さん=福井市の勝木書店本店で

ウェブ会議を踏まえ、目立つ場所に新人作家のデビュー作を陳列することを決めた樋口さん=福井市の勝木書店本店で

  • ウェブ会議を踏まえ、目立つ場所に新人作家のデビュー作を陳列することを決めた樋口さん=福井市の勝木書店本店で
  • ウェブ会議で、樋口さん(上)から好調な売れ行きの要因を聞く出版社の担当者たち

 新型コロナウイルス感染防止のため、企業が従来の対面からオンラインでの商談や会議に切り替えて対応するケースが増えている。出版大手の新潮社(東京都)は、勝木書店(福井市)や佐賀、栃木県の書店とともにウェブ上での販売戦略会議を初めて取り入れ、新たなヒット作品を生みだそうとしている。(長谷川寛之)
 出版社と書店の担当者同士による販売促進に向けた事前の打ち合わせは、特に知名度のない新人作家のデビュー作では重要視されている。従来は出版社の営業担当者が書店を訪問していたが、感染防止対策のため、オンラインによる会議に変更。営業担当に加えて、担当編集者や宣伝担当、勝木書店本店を含む三書店の担当者が参加して五月下旬に会議を開き、これまでにない形で幅広く意見交換した。
 今回取り上げたのは、新人小説家・葵遼太さん(東京都出身)の青春小説「処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな」。勝木書店の樋口麻衣さんは「自分では『この作品はいける』と思っていたが、編集者、他店担当者の期待の声を聞いてより自信を深めた」と手応えを語った。樋口さんは会議後に陳列スペースの拡張を決断。最も来店者の目につきやすいレジ付近と入り口の“特等席”二カ所に並べた。新潮社によるとこの作品は、九日現在で東京都内の書店に次ぎ、勝木書店本店が全国で二番目に売れているという。
 新潮社マーケティング営業本部の秋山優さんは「このウェブ会議だと他店の成功事例も知ることができ、販促アイデアも広がる」とメリットを挙げる。樋口さんも「担当編集者や他店担当者と話すのは貴重な機会。これからも継続してやっていきたい」と意欲を示す。
 今月九日にも勝木書店の樋口さんと新潮社の宣伝担当、編集担当によるウェブ会議を開き、好調な売れ行きの要因を探った。作品の感想を交えた手書きの広告物が効果を発揮していることが評価され、内容をさらに磨き上げて全国の書店に生かすことを決めた。こうした経過を踏まえて、秋山さんは「この作品が福井発のヒット作となれば」と期待を込める。

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