証言・日野町事件 (1)当夜の被害者 作山哲平(大津支局)

2020年6月7日 05時00分 (6月13日 19時08分更新) 会員限定
遺体遺棄の走行ルートについて「みんな見るで。不思議でかなんわ」と地図を手元に語る女性=滋賀県日野町で

遺体遺棄の走行ルートについて「みんな見るで。不思議でかなんわ」と地図を手元に語る女性=滋賀県日野町で

  • 遺体遺棄の走行ルートについて「みんな見るで。不思議でかなんわ」と地図を手元に語る女性=滋賀県日野町で
 「弘(ひろむ)君は、そんなこと(殺人)する子じゃないと思う。うん。弘君が、おばちゃんを殺す?(笑)そんなことはできへんわ。自分のお母さんみたいに思ってはったでなあ」
 八十代半ばで、被害者と加害者二人の古い知人という女性は、そう語る。一昨年、大津地裁で再審開始決定が出された日野町事件。「弘君」とは三十六年前の同事件で、酒店の女性店主を殺害したとされた元工員の故・阪原弘さん=享年七十五。少し年下の阪原さんを幼いころから知るこの知人は、人となりや被害者との関係を語った。取材に応えるのは初めてという。
 「弘君はな、小さいころには実母がいなかった。私とは父親同士が仲良かってん。それで家によく来てた」

母のように慕われて

 事件があった年、阪原さんが実母を懐かしむように女性店主の肩を一心にもむ姿が、目に焼き付いている。
 「私がお店に買い物に行ったとき、弘君がおばちゃんとしゃべったり一生懸命肩をもんだりしていたわ。それ見てるねん、私。『お母さんがいいひんかったから優しくしてくれると(実母の面影が)懐かしく...

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