地球に優しく 信念 ノムラ合成(金沢市)

2020年6月2日 05時00分 (6月2日 10時24分更新)
断熱材で作ったトイレットペーパーストッカーの販売を検討する野村昭夫さん=金沢市で

断熱材で作ったトイレットペーパーストッカーの販売を検討する野村昭夫さん=金沢市で

  • 断熱材で作ったトイレットペーパーストッカーの販売を検討する野村昭夫さん=金沢市で
  • 最重点目標
◇断熱材加工や施工
 住宅と車両向けの断熱材加工や施工を手掛けるノムラ合成(金沢市)は、環境に優しい繊維系断熱材の普及と職人の丁寧な手仕事を通じて、SDGsの目標(12)「つくる責任 つかう責任」などを意識した取り組みを進める。日常生活で直接目にする機会の少ない断熱材をもっと暮らしの中に取り入れてもらおうと、新たな市場開拓も模索している。
 一九六二年に繊維強化プラスチック(FRP)製のバス車体の製造事業から始まり、当初はエンジンルームの吸音材としてガラス繊維を原料としたグラスウールを扱っていた。その後、主力事業を断熱材加工に変え、九四年からは住宅の断熱施工に乗り出した。
 住宅の断熱材は高性能で現場作業の負担が軽い石油系が圧倒的なシェアを占める。しかし地球環境や顧客と従業員の健康に配慮して、使用後に埋め立て処理が可能なグラスウールをはじめ、木材由来のセルロースファイバーといったリサイクル素材にこだわる。
 代表取締役の野村昭夫さん(60)は「石油系はものによっては土に返らない。それは地球に優しくないというのが私の信念」と強調。創業者である父の代から培ってきたグラスウール加工の技術を大事にしたい思いもある。手間はかかっても、現場の丁寧な施工技術で「石油系に負けない断熱性能を確保している」と自負する。
 住宅の高気密・高断熱化は「省エネ促進とともに快適な住環境をつくることで、健康寿命を延ばすことにつながる」とし、事業そのものが目標(7)「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や(3)「すべての人に健康と福祉を」に当てはまるとも位置付けている。
 新事業への挑戦にも意欲を見せる。断熱材を身近な生活の中で使ってもらえないかと、余った素材を超高圧水のウオータージェットカッターで加工し、トイレットペーパーのストッカーや子ども用の玩具を製作した。まだ試作段階だが、販売も視野に入れている。
 野村さんは「“断熱箱”をつくる会社になりたい」と語る。高気密・高断熱化した住宅を箱としてとらえ、その技術を食材を運送する保冷車や宅配ボックスなどに応用できないかと構想する。「長く使える断熱箱が、生き残る道かもしれないので追求したい」。信念を大切にしつつ、生活に根差した新たなビジネスモデルの創出に考えを巡らせている。(中平雄大) 

【メモ】SDGs=「誰一人取り残さない」という考え方のもと、人種や性別、地域などを超えて地球上のみんながそろって幸せになることを目指す国連の目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」など17のテーマ別の目標がある。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。

【会社メモ】ノムラ合成=1962年5月に設立。74年に主力をFRP事業からバスの吸音・断熱材加工に転換し、94年には住宅断熱工事も開始した。2019年9月期の売上高は3億7000万円。従業員数はパート・派遣を含めて23人。本社は金沢市高畠3。


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