<頂へ 月刊・藤井聡太七段> 「最年少記録」が再浮上

2020年5月30日 05時00分 (5月30日 22時05分更新) 会員限定
ビデオチャットを利用して対局する藤井聡太七段(右下)(c)AbemaTV,Inc.

ビデオチャットを利用して対局する藤井聡太七段(右下)(c)AbemaTV,Inc.

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 止まっていた時間が、怒濤(どとう)のように動き始めた。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除され、藤井聡太七段(17)=愛知県瀬戸市=の対局予定が二カ月ぶりに組まれた。宣言が早く解けたおかげで、一時は絶望的となった「タイトル挑戦の最年少記録」を塗り替える可能性が再浮上。重要対局がめじろ押しの一カ月になりそうだ。
 「対局は勝ちか負けの二つしかないので、細かい単位で気にしすぎるとよくないと思っていて。実力がつけば長いスパンで見たときに結果がついてくる。何よりもまず実力を高めることを優先したい」
 昨年末、インタビューで「記録」への考え方を問うと、藤井七段はそう答えた。史上最年少でプロ棋士になってから、あまたの記録を塗り替えてきた。しかし、どんな快挙にも本人は一貫して淡泊だった。長い人生で道を究めんとする若者が追いかけるのは、目先の数字ではないのだろう。
 それでもファンにとっては、記録に一喜一憂するのも楽しみの一つだ。「第九十一期棋聖戦」は、藤井七段がタイトル挑戦の最年少記録を塗り替えられる最後の棋戦。しかしコロナ禍による対局休止で、戦わずして好機を逃してしまった−。残念がっていたら、今週に入って、流れを覆す大きな動きがあった。
 宣言解除が前倒しになったことで、棋聖戦を主催する産経新聞社と日本将棋連盟が、挑戦者と渡辺明三冠(36)の五番勝負を例年並みの六月八日に始めると決めた。本戦準決勝から五番勝負第一局までの三局を、わずか一週間で行う強行スケジュールだ。これにより、藤井七段が勝ち進めば、屋敷伸之九段(48)が持つタイトル挑戦の最年少記録(十七歳十カ月二十四日)を、ほんの少しだけ上回る。周囲の大人がなりふり構わずになっている観もあるが、これも藤井七段のスター性がなせるわざだろう。
 六月には、藤井七段が挑戦者決定リーグ白組で首位を走る「第六十一期王位戦」(中日新聞社主催)の最終戦や挑戦者決定戦もある。順調なら目が回るような忙しさになりそうだ。
 コロナ禍の自粛要請期間のことで、もう一つ書いておきたい。...

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