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「すごく自信があるかと言ったら、ちょっと足りない気がしていた」五輪目指す体操の”開脚王子”谷川翔は「この1年間でもっと強く」

2020年5月29日 15時14分

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2019年の体操NHK杯であん馬の演技をする谷川翔

2019年の体操NHK杯であん馬の演技をする谷川翔

  • 2019年の体操NHK杯であん馬の演技をする谷川翔
  • 男子個人総合で優勝し、2位の兄航と喜ぶ谷川翔(左)

◇2020から2021 東京再挑戦


 体操男子で、東京五輪代表を目指す谷川翔(かける、21)=順大=が本紙の電話取材に応じ、新型コロナウイルスの影響で来年に延期された東京五輪への思いを明かした。2019年は全日本選手権とNHK杯で個人総合2冠に輝き、初出場だった世界選手権では団体総合銅メダル獲得に貢献した。延期で生まれた「1年」を有意義に使い、出場を狙う東京五輪での目標「団体金」に向け、さらに技に磨きをかける。
 「(19年は)いろんな経験ができた1年でしたが、満足していないし、悔しい思いが多かった。個人総合で2勝した後、団体総合では世界選手権で金メダルが取れず、インカレも全日本団体も2位に終わったから」
 谷川は成長できたと実感する一方で、目標の結果を残せなかった反省から、このオフから課題に挙げた下半身の強化に取り組み、今夏に開催予定だった東京五輪に向けて始動した。春先まで順調に演技構成を固めつつ、6種目の通し練習を重ねて完成度を上げていたという。その直後に、東京五輪の1年延期が決まった。
 「実は、今年に入って『東京があるから頑張らなきゃ』というプレッシャーを感じながらやっていた。すごく自信があるかと言ったら、ちょっと足りない気がしていたので、この『大事な1年』があって良かったと思えるように、もっと成長して出られるといいです。本番まであと1年あるので、さらに演技の完成度を上げて、Dスコアもどんどん上乗せしていけると思うので、この1年を有意義に取り組みたい」
 東京五輪の1年延期については、決してマイナスには捉えていない。むしろ、次の24年パリ五輪を見据える。
 「東京五輪で引退という年齢ではないし、五輪は通過点。大きな目標ではあるけれど、その先を見据えているので、そこまでの打撃はなかった。むしろ、まだ成長できるし、伸びる幅があると思うし、この1年間でもっと強くなるチャンス。調子が今よりも悪くなる可能性もあるけど、自分がうまく合わせればいいだけ、成長するために努力を続けていかなければいけないなと」
 得意のあん馬でのダイナミックな動きから、ついたニックネームは「開脚王子」。いつか、内村航平のような絶対的な王者に、日本のエースになることが目標だ。
 「先が見えないからこそ、今できること、今を大事にして、最善を尽くすことを考えています。そして、練習を再開できた時に、自分が元の状態にしっかり戻れるように準備しておくことが、今やるべきことだと思っています」。東京五輪で目指すは「団体金」。2大会連続で日本が頂点に立つ日のために、成長し続ける。

自宅で自主トレの合間に兄・航とゲーム


 今年は、1月終わりから2月中旬まで母校の千葉・市船橋高で教育実習をしたという谷川。2月下旬には日本体操協会の強化合宿もあったが、新型コロナウイルスの影響で、3月には出場予定だった国際大会が中止。緊急事態宣言が出された翌日の4月8日からは体操場の器具を使った練習ができなくなり、練習場所が閉鎖された以降は、自宅などで自主トレに励んできた。
 「本当に日常が奪われたことを感じます。でも、この状況に負けたくないし、自分のできることをやるしかないし、何か成長したい。こんなに長期間、練習できなくなったのは初めてで、休むのは怖いなと思いました」
 外出自粛後は、ランニング、倒立バーを使った体幹トレなどで汗を流し、自分や他の人の体操の映像を見て、演技のイメージトレーニングや技の勉強を普段と同じようにしていた。また、「いっぱい寝るのが好き」ということで、いつもより多めに約10時間の睡眠を取っていたほか、自主練習の合間を縫い、兄の航(わたる、23)=セントラルスポーツ=らとオンラインでサッカーゲーム「ウイニングイレブン」を始めたという。

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