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<竜盛再び>第1章 戦力整備のヒント(3) 土台にあるのは確固たる方針 ミスしても、上げたくても…我慢

2017年11月17日 02時00分

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森野打撃コーチ(左)から指導を受ける高橋=10月16日、西都原運動公園屋内練習場で(小沢徹撮影)

森野打撃コーチ(左)から指導を受ける高橋=10月16日、西都原運動公園屋内練習場で(小沢徹撮影)

 「タナ・キク・マル」。今や広島ファンばかりではない。多くのプロ野球ファンが、この暗号めいた言葉の意味を知っている。田中広輔、菊池涼介、丸佳浩。今年もぶっちぎりでセ・リーグ連覇を果たした広島の不動の1~3番トリオの愛称だ。この3人に若き主砲・鈴木誠也を加えた4人が赤ヘル軍団の強さの象徴となっている。
 田中、丸が28歳で菊池は27歳。鈴木はプロ5年目の23歳。この年齢構成を見ただけでも、広島攻撃陣が安定期に入ったことが分かる。だが4人が4人、同じように主力の座を射止めたわけではない。菊池は大学出のドラフト2位。田中は大学、社会人を経てドラフト3位での入団。即戦力として入った2人は1年目から主に1軍を舞台に経験と実績を積んできた。
 菊池の初年度成績は63試合に出場し打率2割2分9厘の9失策。2年目は打率2割4分7厘で19失策。数字的には平凡なものだ。田中もレギュラーに定着した2年目はリーグの内野手では断トツの22失策を記録している。それでも前任者の野村謙二郎監督が、ほぼ全試合使い続け、チームの柱に育て上げた。
 一方、丸と鈴木は高校からのプロ入り。1軍選手と呼べるまでに丸は4年、鈴木は3年かかった。苑田聡彦スカウト統括部長は「高校生は2年ぐらい2軍で使う感じで獲る」と言う。丸は3年目に2軍で355打席、鈴木も1年目に364打席立ち、ようやく1軍デビュー。1軍定着後は一気にレギュラーまで駆け上がっている。

マエケンも同じ道

 打者だけではない。広島のエースに君臨し、今や戦う舞台を最高峰のメジャーに移したPL学園出身の前田もしかりだ。1年目から2軍ローテに入り、20試合登板のうち19試合で先発して、投球回数は109イニング2/3。5勝8敗で防御率3・99と好成績ではなかったが、翌年はすぐに1軍のローテに入れた。
 道のりは違う。だが、共通するのは、どちらも彼らが育つ土台に、首脳陣の我慢があったということだ。ミスをしても使い続けるのが我慢なら、引き上げたくとも時が来るまで待つのも我慢。それができるのは、チーム内での多くの議論と、確固たる育成方針があればこそだ。

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