続く断水、疲労の色濃く 集落孤立の福井・南越前
2022年8月7日 05時05分 (8月7日 05時06分更新)
五日の猛烈な雨で住宅浸水や土砂災害の被害を受けた福井県南越前町今庄地区は、町内の県道が崩落し、一部集落が孤立状態となっている。車で十分な食料が運び込めない上、断水が続く。一夜明けた六日、厳しい日照りの下、泥や流木の撤去に追われる住民の顔に不安と疲れがにじんだ。
車で入れない集落には、県警や自衛隊員らが徒歩で食料を運んでいる。住民たちは、水やコンビニのおにぎりを受け取ると、必要な分だけ持ち帰った。この集落で、二階建ての自宅一階が高さ一・七メートルまで浸水した無職山内良一さん(66)は「しばらくは放心状態だった」と話しつつ、駆け付けた息子らと泥のかき出しに追われていた。
さらに奥の集落に親族がいる五十代女性によると、その集落の半数ほどの世帯が浸水し、民家に泥や流木が流れ込んだ。断水と人手不足で撤去作業は進んでいないという。「浸水被害がなかった家が食料や生活用品を分けるなど、何とか助け合ってしのいでいるようだ。集落には高齢者が多く体調が心配だ」と話した。
町によると、町内九つの集落が車で通行できない状態で、千九十三世帯で断水している。 (玉田能成)
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