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「原爆の図・幽霊」愛知で修復 戦争の悲惨 世代超え刻む 宮崎正嗣(文化芸能部)

2022年8月7日 05時05分 (8月7日 05時05分更新)
修復作業が進む「原爆の図」の第1部「幽霊」=愛知県長久手市の県立芸術大で

修復作業が進む「原爆の図」の第1部「幽霊」=愛知県長久手市の県立芸術大で

 焼けただれた皮膚を引きずる人々の姿。画面の向こうから聞こえてくる、苦悶(くもん)と絶望の叫び。十五点からなる連作「原爆の図」は、被爆直後の広島や長崎の惨状を伝える絵画としてあまりに名高い。そのうちの第一部「幽霊」の修復作業が、愛知県立芸術大(同県長久手市)で進められている。その歴史をひもといていくと、愛知県との意外なつながりが戦後史の中で見えてきた。
 六月末、同大文化財保存修復研究所を訪れた。いたるところに扇風機が置かれた室内に、縦約一・八メートル、幅約七・二メートルの屏風(びょうぶ)からはがされた「幽霊」の絵の一部が並ぶ。補修のため新しい裏打ち紙を打ったばかりの絵を、柿渋の塗られた板に張っていく「仮張り」の作業が進んでいた。日本画の修復ではおなじみの光景が広がる。修復は来年春ごろに完了し、所蔵する丸木美術館(埼玉県東松山市)に戻ることになっている。

全国各地を巡回

 連作「原爆の図」は、画家の丸木位里(いり)(一九〇一〜九五年)と俊(とし)(一九一二〜二〇〇〇年)夫妻が五〇年から三十二年かけて描いた。「幽霊」はじめ十五点からなり、第十五部「長崎」を除く十四点は、丸木夫妻が六七年に開いた...

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