無差別事件の連鎖断つには 小田急線刺傷1年
2022年8月6日 16時00分 (8月6日 16時00分更新)
東京都世田谷区を走行中の小田急線で乗客十人が刃物で切り付けられるなどした事件は、六日で発生から一年。事件後、京王線の乗客刺傷や大阪・北新地のビル放火殺人など無差別に人々を襲う事件が相次いだ。犯行動機について識者は「世の中への不平不満や疎外感が根底にある」と指摘。事件を教訓とし、孤立を生まない社会づくりを進める必要性を説く。
七月下旬、金曜の午後八時過ぎ。小田急線の登戸駅から都心部に向かう快速急行の座席はほとんどが埋まっていた。大半は若者で、多くが下を向いてスマートフォンの画面をのぞき込んでいる。イヤホンを着けている人も目立つ。次の駅に停車するまでの八分間、同じような状況が続いた。
昨年の八月六日午後八時半ごろ、金曜の電車内は悲鳴に包まれた。無職の対馬悠介被告(37)=殺人未遂罪などで起訴=が登戸駅から快速急行に乗り、前方の車両に移動しながら次々と乗客を刃物で切り付けた。
サラダ油をまいて火を付けようとした後、緊急停車中に乗客が開けたドアから逃走。翌日、逮捕された。胸や背中など七カ所を刺された女子大生が重傷となり、九人が軽傷を負った。
対馬被告は逮捕後、警視庁の調べに「大量に人を殺すた...
おすすめ情報