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集落に濁流一気 今庄「夏の水害初めて」 

2022年8月6日 05時05分 (8月6日 12時26分更新)
大雨による影響で、濁流にのまれた車両=5日午前10時36分、南越前町今庄で(蓮覚寺宏絵撮影)

大雨による影響で、濁流にのまれた車両=5日午前10時36分、南越前町今庄で(蓮覚寺宏絵撮影)

  • 大雨による影響で、濁流にのまれた車両=5日午前10時36分、南越前町今庄で(蓮覚寺宏絵撮影)
  • 大雨の影響で土砂崩れが発生した北陸自動車道=5日午後3時34分、敦賀市で
  • 道路が寸断され、高齢女性を担架で歩いて救助する自衛隊員と消防隊員ら=5日午後3時55分、いずれも南越前町南今庄で(蓮覚寺宏絵撮影)
  • 鹿蒜川の氾濫で道路が寸断され、日用品や食料を手に被害にあった親戚宅に向かう人たち=5日午後2時45分
  • 避難所に身を寄せる住民たち=5日午後1時51分、南越前町今庄住民センターで

区内ほぼ床上浸水


 記録的な大雨の影響で五日、南越前町の今庄地区では河川が氾濫し、住宅などに濁流が押し寄せた。「雪深いところだが、夏の水害は初めて」。被害にあった住民らは口をそろえた。川のそばを通る道路が崩れたことで、六集落で住民の孤立も発生した。=(堂下佳鈴、玉田能成)
 JR今庄駅南側の踏切付近。朝から、警報機と濁流に巻き込まれて水没した車のクラクションの音が鳴り響いた。周辺の栄区では鹿蒜(かひる)川が氾濫し、区内の約五十五世帯のほとんどが床上浸水の被害に遭った。
 栄区長の野崎栄一さん(59)は早朝から集落内を見回った。「濁流がダーッと押し寄せてきた。一時は胸のあたりまで水がつかった。こんなことは初めて」と切迫した状況を語った。
 近くの「デイサービス神久ファミリー」の社長、神谷幸保さん(70)は「避難準備をする間もなく、五分くらいで一気に流れ込んできた」と振り返る。施設は事前に営業休止としたため、利用者はいなかった。ただ施設一階は完全に浸水し、社用車八台も流された。「週明けの営業はできない。掃除して済むようなものじゃない」と肩を落とした。
 一緒にいた妻の和江さん(71)は二階に避難し、昼過ぎに消防にボートで救助された。「一階は天井すれすれまで水が来ていた。無事に救助してもらえて安心した」と目に涙を浮かべた。
 町によると、県道が一部崩れたことなどで、栄区から西側の地域では六つの孤立集落が発生。ボートやヘリコプターで順次救助されていた。水道や電気が止まり、水や生活用品を歩いて運ぶ人の姿もあった。

避難所7カ所を南越前町で開設


 南今庄区では、自衛隊と消防の隊員が、足の不自由な高齢女性を担架に乗せて搬送していた。けが人はいなかったが、同区長の村尾秀一さん(62)は「本当にひどい」と力なく話した。
 南越前町では五日午前、自主避難所を含む七カ所の避難所が開設された。床上浸水に見舞われ自宅などから救出された住民らが、町の公用車で搬送されていた。午後六時現在、二十四人が身を寄せている。
 避難所は五日午前七時から相次いで開設された。町の避難所は今庄地区の今庄住民センター、河野地区の桜橋総合運動公園休憩所せせらぎなど五カ所に設けられた。
 今庄住民センターでは、着の身着のまま逃れた避難者たちに毛布やおにぎり、クッキー、水などの物資を提供。新型コロナウイルス対策として、感染の疑いがある人や濃厚接触者には別室を用意した。同所は断水のため、午後七時ごろ、旧今庄中学校に避難所を移した。
 同町今庄から母(95)と妻(69)の三人で避難してきた男性(73)は「首まで水につかりながら自力では動けない母をなんとか二階にあげた」と疲れ切った様子。「家はくちゃくちゃ。でも母を避難所に連れてこられて良かった」と話した。 (堂下佳鈴)

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