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廃棄素材活用し食器 石川樹脂工業がブランド展開

2022年8月6日 05時05分 (8月6日 10時09分更新)
廃棄素材を活用した「杉皮シリーズ」(右)と「海水シリーズ」=石川県加賀市で

廃棄素材を活用した「杉皮シリーズ」(右)と「海水シリーズ」=石川県加賀市で

  • 廃棄素材を活用した「杉皮シリーズ」(右)と「海水シリーズ」=石川県加賀市で

「スギの皮」「海水ろ過後のミネラル分」

 スギの間伐材の皮や、海水をろ過した後に残るミネラル分−。樹脂製品メーカーの石川樹脂工業(石川県加賀市)は、廃棄されてきたこれらの素材を活用した食器を商品化した。樹脂の使用量は従来の半分近くに減らしている。SDGs(持続可能な開発目標)への貢献を目指し、環境に優しい商品として提案している。(高岡涼子)
 食器の自社ブランド「ARAS(エイラス)」の「サステナブルコレクション」の「杉皮シリーズ」「海水シリーズ」として展開を始めた。壊れたら買い替えるという食器の概念を覆そうと、エイラスにはガラス繊維を混ぜた衝撃に強い樹脂が使われており、リサイクルもできる。
 スギの皮の活用は、石川勤専務(38)が林業を営む知人から「廃棄に困っている」という話を聞いて思い付いた。樹脂と混ぜて成形すると、樹皮の繊維が表面に模様を生み出し、独特な風合いになることが判明。スギの香りが強過ぎないよう処理を施すなど開発に一年かけ、昨年十二月に発売した。
 海水のミネラル成分は、ろ過、蒸留して飲料水にする際に生じる副産物で、水不足によって世界的に廃棄量が増加。濃縮されているため海の生態系に悪影響を及ぼすと懸念されている。
 食器に使ったのは、三井化学(東京)がこのミネラル分から作った複合素材。陶磁器のように熱伝導率が高く、料理に合わせて選べる食器として今年七月に発売した。
 「環境問題の解決に向けて、他の企業にも活用法をどんどんまねしてほしい。自分たちは捨てられている素材をまた見つけて、使い道を探していく」と石川専務は意欲を燃やす。
 サステナブルコレクションはオンラインのみで販売している。カレーやスープに使う「深皿スクープ」(直径二十六センチ)は杉皮が三千八百五十円、海水が五千五百円でいずれも毎月、数量限定で扱っている。

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