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紙幣に見る社会の変化 岐南で企画展

2022年8月6日 05時05分 (8月6日 18時30分更新)

戦前の紙幣を手に来場を呼びかける三宅さん=岐南町三宅のギャラリー句読天で

 紙幣の肖像画に採用された人物やデザインから、戦前、戦後の日本社会の変化を見通す企画展が6日、岐南町三宅のギャラリー句読天で始まる。15日まで。
 天皇を中心とした国家づくりが進んだ戦前には、天皇や皇族、皇族を補佐した人物などが肖像画となった。太平洋戦争中は戦意高揚をかき立てる武将やデザインが主流となる。戦後は民主主義を象徴するためか、戦前に活躍した政治家が多く肖像画となったが、一九八〇年代からは文化人や経済人が多くなった。
 企画展には、戦前の和気清麻呂の十円札や戦中の楠木正成の五銭札など約三百点が並ぶ。戦時のスローガン「八紘一宇(はっこういちう)」の文字が刻まれた塔をモチーフとした十銭札からは、国一丸となって戦争に突き進んだ当時の社会の雰囲気が伝わる。
 一方、戦死した軍人らをまつる靖国神社が描かれた五十銭札は、昭和十七年発行のものには「大日本帝国政府紙幣」とあるが、昭和二十年の終戦後に発行されたとみられる同じデザインの紙幣からは「大」の文字が消えている。これは連合国軍総司令部(GHQ)が日本を統治して、デザインの流用こそ認めたが、大日本帝国との連続性を否定するためだったようだ。
 このほか、戦時中に皇室への崇敬を詠んだ歌などを集めた愛国百人一首や、戦後の物資不足で造りが粗悪になったコップなどがある。ギャラリーの三宅徳重さん(63)は「お札のような生活に使うものの中にも戦争の影響が色濃く出ている。戦争は遠い存在ではないと感じてもらえれば」と話している。
 入場無料。ギャラリーは岐南町三宅二の一〇三。(問)句読天=080(3289)7055
 (高野正憲)

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