加賀太鼓発信 学生が力添え 団員不足の「雅道」小松大生 SNSで紹介
2022年8月6日 05時05分 (8月6日 10時17分更新)
「動画手掛け、再生数急増」「英語版チラシ作成」
公立小松大国際文化交流学部3年の学生5人が授業の一環で、小松市の加賀太鼓の演奏団体「雅道(がどう)」の広報活動に協力している。メンバー募集のために、交流サイト(SNS)での動画投稿やチラシを作成した。7月25日に同大であった発表報告会で、学生が手掛けた動画の再生回数は、これまで200回程度から5000回に大幅に伸びたと報告した。 (井上京佳)
雅道によると、加賀太鼓は加賀藩三代藩主前田利常が小松城に隠居して以来、演奏されてきた。雅道は伝統を継承するために活動しているが、指導者の高齢化や人手不足が課題だった。
学生は地域社会の課題を学ぶ観光学演習で、六月から雅道のメンバーと交流し、加賀太鼓の体験や課題の聞き取りをした。同大の学生らを対象にしたアンケートで、加賀太鼓があまり知られていなかったことから、雅道が以前から投稿を続けていた動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や、写真共有アプリ「インスタグラム」で周知を図ることにした。
学生が作ったのは十秒ほどの動画四本。このうち、指導者の高辻衛さん(85)がバチを回転させる動きに合わせて「メンバーの数」「年齢層」などのテロップが回転して答えが表れる動画は、SNSで人気の動画やBGMを参考に制作し、二週間で再生数が五千回を超えた。従来の動画も再生数が増え、フォロワーは約九十人増加した。野村夢佳さん(21)は「数字で変化が分かって驚いた。雅道の皆さんが提案を取り上げてくださってうれしい」と話す。
留学生からの関心が高いことから、日本語版と英語版の団員募集のチラシも作った。同大の文化祭の出演など、学生は今後も協力していく。
鳥井千香子代表(47)は「学生さんとの取り組みで練習に復帰したメンバーもいた。多くの若い世代に知ってもらえるようにSNSも継続していきたい」と話した。
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