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<食卓ものがたり>桃(愛知県豊田市)

2022年8月1日 13時51分 (8月1日 14時40分更新)

食べ頃を迎えた桃を収穫する森敏康さん=愛知県豊田市で

甘み逃さず 収穫の夏


 一口かじると、ジュースのように果汁が口の中にあふれる。愛知県豊田市北部の猿投さなげ地区で育つ桃は、ほどよく熟したやわらかさと甘みの強さが特長だ。
 「猿投の桃は他の産地と比べても糖度が高い。今年は雨が少なめだから特に甘いよ」。JAあいち豊田桃部会の部会長、森敏康さん(56)は胸を張る。自動車の街として知られる同市だが、猿投地区は県内有数の桃の産地。六月下旬から九月下旬にかけ、「白鳳」「川中島白桃」など九品種が順に出荷される。
 森さんによると、もともと桑や柿が栽培されていた地域だが、昭和三十年代ごろから、台風シーズン前に収穫できる桃を作る農家が増えたという。
 日本一の桃産地の山梨県では、火山灰が交じったやわらかな土で育てられるが、猿投の土は石が交じり、やや硬め。桃にとっては決して快適な環境とは言えず、二十年とされる木の寿命が近づくにつれ、枝や木の表面の傷みが激しくなるという。森さんは「厳しい土地だからこそ、実が甘くなるんだと思う」と話す。
 七月中旬、森さんの畑では、主力品種の白鳳がピンクに色づき、枝をしならせていた。「一日遅れるだけで、味が全然変わってしまうんよ」...

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