本文へ移動

感染世界一、日本の要因 冷房で密閉度高、ワクチン免疫低下など

2022年7月30日 05時05分 (7月30日 05時06分更新)
 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、各地では連日、過去最多の新規感染者数を更新している。世界保健機関(WHO)によると、直近の週間感染者数は日本が世界で最多。欧米各国と比べてマスク着用者が多く、海外からの入国で水際対策も続く中、なぜ世界一の感染者数になったのだろうか。
 名古屋市内で発熱外来を設けるクリニック。毎日午前八時半になると、検査目的で受診を希望する人たちからの電話が鳴り続ける。一日十人の枠は、三十分もたたないうちにいっぱいに。担当の医師は「発熱したら受診するべきだが、医療機関が見つかりにくい状況になっている」と語る。
 WHOによると、十八〜二十四日の日本の新規感染者数は、前週比73%増の九十六万九千人余で世界最多。続く米国は八十六万人余で、三番目のドイツは五十六万五千人超だった。
 日本の新規感染者数の多さについて、専門家が着目するのはワクチン接種効果の低下だ。
 一、二回目に続いて昨年末ごろから三回目の接種が行われたが、名古屋大病院(名古屋市昭和区)の山本尚範医師は「高齢者らの三回目の接種から半年ほどがたち、免疫力は落ちてきている」と警告。日本より落ち着いている欧米の現状については「すでに多くの感染者、死者を出した犠牲の上ではあるが、ワクチンの免疫と感染による自然免疫を備えている」と分析する。
 さらに愛知県の担当者が指摘するのは、より感染力が強いオミクロン株の派生型「BA・5」への置き換わりだ。ワクチンによる免疫力が低下している時期に重なったため、日本の感染者急増につながっていると説明する。
 岐阜大医学部付属地域医療医学センターの村上啓雄(のぶお)特任教授は「猛暑」も要因の一つとして注目。「熱中症対策で室内で冷房を効かせ、密閉度が高い場所で過ごすことが増えた」ことが一因とみる。
 一方、藤田医科大(愛知県豊明市)の土井洋平教授(感染症学)は世界最多について「問題視する話ではない」と冷静だ。「日本が世界最多になった一因には、諸外国に比べて検査が徹底されていることがある」と訴え、海外各国との検査数の差が大きく影響しているとの考えだ。
 では、感染拡大を抑えるための有効な対策とは。山本医師は「人との距離を保ち、常に換気することが大切。暑くてエアコンをつけても、窓を開け、扇風機で空気の流れをつくってほしい」と求める。村上特任教授も「ワクチンを三回あるいは四回目まで接種し、食事や公共の場ではマスクと換気を今まで以上に意識してほしい」と呼び掛けた。

関連キーワード

おすすめ情報

社会の新着

記事一覧