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今、最も日本に必要なセンターフォワード像…9月の欧州遠征に、最終テストに合格することを期待したい

2022年7月28日 06時00分

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日本―韓国 後半、チーム3点目のゴールを決めた町野

日本―韓国 後半、チーム3点目のゴールを決めた町野

◇コラム「大塚浩雄のC級蹴球講座」◇27日 東アジアE―1選手権 日本3―0韓国(豊田スタジアム)
 前半こそ攻めあぐんだが、後半に3点を奪った日本が完勝した。2021年3月の親善試合の3―0に続く快勝。そして9年ぶり2度目のE―1選手権優勝である。かつては韓国の強烈なフィジカルに圧倒されていた日本だが、今や完全に逆転している。
 日本はフィジカルコンタクトの強さで韓国を上回り、デュエルで圧倒した。空中戦の競り合いでも競り負けることはなく、スピードで崩されることもない。フィジカルの強さ、球際の技術で、しっかりとボールを奪い、守から攻へと素早く切り替えていく。
 実質Jリーグ日本人選抜VSKリーグ韓国人選抜の戦いとなった日韓戦ではある。ホームでの戦い、韓国はFW孫興民(ソン・フンミン)=トットナム、FW黄喜燦(ファン・ヒチャン)=ウルバーハンプトン=という欧州でプレーする強力FWがいない。とはいえ、サッカーのベースの部分で、日本は韓国を完全に上回っていた。
 森保監督は「韓国に対してコンプレックスであったり、メンタル的に引けをとっていることは全くないと思う」と言い切った。そして「9月の欧州遠征に連れて行きたい選手がいるか? イエスかノーで」という質問に「イエス」と答えた。
 左サイドをたびたび突破し1得点1アシストの相馬(名古屋)、攻守にわたり献身的に走りまくった西村(横浜M)、ボランチとしてゲームを組み立て、好パスを前線に供給し続けて2得点にからんだ藤田(同)。そして何より、前線でポストプレーヤーとして存在感を示し、守から攻への切り替えで大きな役割を果たした1トップ、町野(湘南)。
 中盤からの縦パスを受け、“ため”をつくって攻撃の厚みをつくる。後半11分にはMF岩田(横浜M)のパスをしっかり受けて落とし、西村のシュートにつなげた。同30分には引いて縦パスを引き出し、相手にユニホームを思い切り引っ張られながらも倒れない強さを見せつけた。
 ゴールに向かう積極性も素晴らしいものがあった。試合開始直後の30秒、味方が奪ったボールを受けるとそのままゴールに向かい、いきなりミドルシュートで相手GKの度肝を抜いた。この1発で、間違いなく日本代表の攻撃への意識が高まった。
 そして後半27分のゴール。藤田の縦パスを西村が受け、右サイドの小池に展開。小池のクロスに町野がきっちりと飛び込んで、ダメ押しの3点目が決まった。
 韓国のDFがボールを持つとしっかりとチェイシングし、パスのコースを限定していく。身長185センチの大型CFとは思えない運動量で献身的に守る。その上で、クロスボールに対してゴール前まで詰めている。欧州組で編成される日本代表に最も欲しいタイプのセンターフォワード(CF)。大迫勇(神戸)の復調は不透明。上田(セルクル・ブルージュ)も移籍先の新天地で試合に出られるかどうかはこれから。森保監督にとって必要な最後のピース。それがCF。そして町野が香港戦、そして韓国戦で答えを示した。
 9月の欧州遠征での米国、エクアドル戦。E―1を戦った選手が数人、同行することになるだろう。町野が最終テストに合格することを期待したい。
   ◇   ◇
 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、1994年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため(?)指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)。
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