【Bリーグ】FE名古屋、”部活”からプロの集団への意識改革に成功し悲願のB1昇格を果たす
2022年7月7日 15時44分
バスケットボールBリーグで、2022―23シーズンからB1で戦うファイティングイーグルス名古屋(FE名古屋)。2021―22シーズンはB2で圧倒的な強さを見せ、プレーオフも制し優勝。長年懸案だったアリーナ問題にもめどを立て、悲願のB1昇格を果たした。川辺泰三ヘッドコーチ(40、HC)や宮崎恭行主将(36)の取材をもとに、ここまでの歩みを振り返った。
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1957年創部の伝統あるチームが本気になって臨んだのが2021―22シーズンだった。選手、コーチの大型補強を敢行。リーグ戦42勝8敗と圧倒的な強さを見せ、プレーオフも駆け抜けた。
毎年、B1昇格を目標に掲げてはいたが、実は昨季は様相が違った。川辺HCが「フロントもすごく力が入っていると感じました」と振り返ったのが、シーズン前の決起集会。名古屋市の豊田通商本社の役員会議室に選手、スタッフが一堂に会した。
本社の大会議室に集まるのも異例であれば、加留部淳オーナー代表が出席し、「アリーナのライセンスを取って、絶対に優勝し、昇格しよう」とげきを飛ばしたのも出色だった。宮崎主将も「今までで一番力が入っていると実感しました」と回顧する。
元プロ選手として京都ハンナリーズなどで活躍した川辺HCが、アシスタントコーチとして加わったのが17年7月。当時は「企業の部活の延長でやっている印象だった」というのが本音だった。プロリーグのはずが、選手は仕事や出張で練習に参加できない。練習に5人集まらないため、川辺HCがコートに立ち、左アキレス腱(けん)を断裂したこともあった。トレーナーやコンディショニングコーチもいない。
プロらしからぬ体制をフロントに理解してもらい、改革に着手した。スタッフも徐々に増え、なにより選手は昨年7月で全員がプロ契約に。そろって2部練習ができたり、体の回復にあてる時間もできた。宮崎主将も「しっかりと練習でき、休息も取れ、さらには家族と過ごす時間も取れるようになりました」と話す。そして大型補強。ようやく機が熟したのが昨季だった。
現場、フロント一体となってつかんだB1舞台。今季は大型補強はしない。川辺HCは「B1で挑戦するために(昨季から)集まっている選手たち。基本は昨季と同じメンバーで戦っていこうというのがあります」と言葉に力を込める。今季目標はチャンピオンシップ出場。今月中旬からチームは本格始動する。
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