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プロレス好き桂川有人 若手旋風の真っただ中での全英オープン「あえて目標を持たずに」【ゴルフ】

2022年7月5日 17時28分

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桂川有人

桂川有人

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  • 桂川有人(左)と稲葉弘泰トレーナー
男子ゴルフの桂川有人(23)=国際スポーツ振興協会=はただ今、若手旋風の真っただ中にいる。1月のSMBCシンガポール・オープンで2位に入り、14日開幕の全英オープン(セントアンドルーズ)に初出場する。今季は国内ツアーで初勝利を挙げ、賞金ランキングも現在2位の躍動ぶり。初の海外メジャーに「ゴルフの聖地と呼ばれるセントアンドルーズに一回は行きたいと思っていたけど、こういう形でかなうのはうれしい」と話す。
 もともとゴルフがうまかった。桂川は日大1年から頭角を現し、大学日本一のタイトルも手にしている。それでも今の活躍には、急につるりと一皮むけた印象がある。
 「プロの試合に慣れてきたのはあるけど、特別何か良くなった感覚はない。例えが悪いかもしれないけど、調子が良ければ優勝争いができる学生のときと同じような気持ちでプレーできている」。つまり一皮むけたのではなく、元の状態に戻ってきた感覚が強い。「実感のない成長」とも語り、別の視点で見るなら、伸びしろの余白がたっぷりとあるのかもしれない。
 日大4年から昨年までの2シーズンは持ち味のショットが絶不調に陥った。「いい感覚が思い出せず、何が何だか分からなくなってしまった。コロナ禍でガクンと気持ちも落ちちゃって、ゴルフをもう辞めようかなとも思った」
 焦りや無い物ねだりに狂わされ、一時期は暗闇をさまよった。「一日でも早く世界に出たかった。欧米のツアーに一度も出ていなのに、想像で勝手に理想のショットを追い求め過ぎちゃって」。昨年から過度の筋トレをやめ、飛距離重視のスイングを見直した。
 復調のきっかけをつかんだのは、全英切符を手にした今年1月のシンガポールOP。3日目のラウンド後の練習だった。「これだという感触の残るショットが打てた」。足元から飛んでいく球がイメージとぴったり重なった。それからはスイングの修正点が変わっても「一回つかんだ感覚があるから悪くならない」。今までにない心境も芽生えた。
 「ゴルフだけが人生じゃない。いつでも辞められる覚悟ができたので、今は余裕を持ってのびのびとできている」
 今季は4900万円余りを稼ぎ、賞金ランキングは現在2位。しかし、生活が一変することはない。新たに買った高額商品として挙げたのは、定価300万円相当の弾道測定機と治療院にあるような定価70万相当の高圧電気治療器。ゴルフ関連品にばかりつぎ込んでいる。
 仕事の依頼が増えたため、マネジャーの雇用もプロらしい変化の一つ。そして「変わったといえば」と思い出したように打ち明けたのは、選手として有名になった恩恵の一端だった。
 プロレス好きの桂川。初優勝の際は新日本プロレス・内藤哲也の決めポーズを披露した。そのおかげだろう。友人の実家のすし店に新日のレスラー・鷹木信悟が客として訪れ、桂川の名前入りサインを置いていってくれた。「名前を知ってくれていたのが本当にうれしくて。励みになる」。この日一番の笑顔を見せた。
 全英には「あえて目標を持たずに行きたい」と語った。初めての渡欧に初めての海外メジャー。初づくしの舞台で目標を持つことは自身のプレーを狭めると警戒。「今までのプレーをしてどこまでできるか確認したい」。聖地での闘いは後々苦しむ妄想ではなく、明確な次のビジョンを見つけるためのそれになる。

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