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<今伝えたい> (6)元満蒙開拓団員・前沢節子さん(87)=飯田市

2022年7月5日 05時05分 (7月5日 15時04分更新)
満蒙開拓団員だった当時の体験を語る前沢さん=飯田市で

満蒙開拓団員だった当時の体験を語る前沢さん=飯田市で

 旧上郷村(現飯田市)出身です。五歳のときに父の意向で、旧満州(現中国東北部)三江省の大古洞下伊那郷開拓団に一家六人で入植し、六年後に敗戦を迎えました。着の身着のまま通っていた学校に家族と身を寄せましたが、そこに旧ソ連兵が侵入してきたのです。
 上級の兵は私たちの「生命財産を保障する」と言い、手は出しませんでしたが、彼らが去り、下級兵だけが残るとそこにいた日本人から物を奪い始めました。母も「守り刀」の短刀やコンパス、万年筆を奪われました。略奪が終わったと思えば日本人への暴力、性暴力が始まりました。それが三カ月程度続いたのです。
 学校には九カ月ほど身を寄せましたが、その後は旧満州の大都市ハルビンに向かいました。一日十五〜二十キロを歩いたでしょうか。着いたころには足がぱんぱんに腫れていました。
 小学校に身を寄せることになりましたが、部屋の中は難民であふれ、病気がまん延していました。仕方なく青少年義勇軍の元訓練所に移りましたが、そこでも病気がまん延していたのです。一家全員が命を落とした人や熱に浮かされて叫ぶ人を毎日のように見ました。
 その年の十月、ようやく日本に引き揚げました。それまで現地の中...

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