<コロナの陰で 参院選が問う課題> (上)物価高
2022年7月5日 05時05分 (7月5日 05時06分更新)
名古屋駅から歩いて二分。「駅西一安くておもろい店」の看板が掲げられている。「八百屋ダイニングやすべえ」(名古屋市中村区)。昼は店先で五百円の「ワンコイン弁当」を販売し、夜は三百円前後のおつまみが中心の居酒屋になる。
六月中旬の正午前、ワイシャツ姿のサラリーマンらが列を作った。「全部五百円ですか」。近くで福祉施設を営む小林安彦さん(49)が野菜炒めやミックスフライなどの中から唐揚げ弁当を選んだ。サラダや飲み物、フルーツも付く。「お得ですよね。外食すると八百円くらいになっちゃう」。猛暑が続く今は食中毒のリスクを考えて取りやめているが、弁当は多いときには二百個を売り上げる。
新生銀行の調査では、男性会社員の一日の平均昼食代は、新型コロナウイルスが広がる前の二〇一九年から六百円前後で推移する。今年の一カ月の小遣いは平均三万八千六百円余。二〇年から八百円近く減っており、厳しい懐事情が続く。
小林さんの福祉施設も経営は苦しい。自身の給料は八年ほど上げていない。コロナ前は、消費税増税や施設の修繕などで経費がかさんだ。今は電気代や食材費などが高騰するが、入居者のことを考えて利用料は据え置く。「コスト...
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