史上初の快挙 今村聖奈に五十嵐師「言うことなしでしょう」絶賛「大物だね。どんな心臓しとるんかな」
2022年7月3日 18時49分
◇3日 第58回CBC賞(G3・小倉・芝1200メートル)
歴史の扉をこじ開けた。新人女性騎手の今村聖奈(18)=栗東・寺島=が2番人気の3歳牝馬テイエムスパーダに騎乗して逃げ切り勝ち。2008年の宮崎北斗(愛知杯・セラフィックロンプ)以来史上5人目、女性では初となる重賞初騎乗初勝利の快挙を、1分5秒8のJRAレコードで飾った。2着には後方から最内を突いた3番人気のタイセイビションが食い込み、3着は好位から進めた1番人気のアネゴハダが続いた。
若き乙女が泰然自若の心で歴史を動かした。重賞初騎乗だった今村は、持ち前の強心臓からくる落ち着いた騎乗で、2番人気のテイエムスパーダを完璧にエスコート。史上初となる女性騎手の重賞初騎乗初勝利の大記録を、JRAレコードのおまけ付きで難なく達成してみせた。
女性騎手として前人未到の勝利を成し遂げた今村は「うれしいです。馬は最高の状態でしたし、あとは人間がどうアプローチするかが鍵だと思っていました。馬の力を信じて自信を持って乗れたのが良かったと思います」と笑顔を見せて喜んだ。その落ち着き払った騎乗ぶりは数々の女性騎手の記録を塗り替え続ける勝負師そのものだった。
デビューからわずか4カ月での重賞初挑戦で、パートナーは上位人気。それでも「重賞だからと私が気負っても馬に余計なプレッシャーを掛けるだけ。いつもと同じ精神面で臨めました」と平常心でレースに臨むと、先行馬有利の馬場を考慮し、最軽量の48キロも生かして一気にハナへ。前半3F31秒8という驚愕(きょうがく)のハイペースだったが、手応え十分で直線に向くと後は一人旅。「逃げ切る気持ちよさをしみじみと感じながら、馬と人馬一体になれたと思います」。観客のどよめきが大歓声に変わる瞬間を肌で感じながら、JRAレコードとなる1分5秒8でゴール板を駆け抜けた。
快挙を見守った五十嵐師は「言うことなしでしょう」と絶賛。「1200メートルは合っていると思っていたけど、あのスピードを生かした聖奈ちゃんはすごいよ。緊張しないなんてたいしたもんだし、こんなに自信を持って乗れるなんて大物だね。どんな心臓しとるんかな」と落ち着き払った騎乗を褒めちぎった。
「デビューした時からたくさんの人に夢や希望、感動を与えるレースがしたいと思っていましたが、少しでもそう思ってもらえたら光栄です」と語る今村。初見参の小倉でまた一つ日本競馬に歴史を刻んでみせた大物ルーキーは、これからも強い心と確かな実力でトップジョッキーへの階段を駆け上がるつもりだ。
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