本文へ移動

存続に努める姿勢鮮明 首長アンケート 

2022年6月29日 05時05分 (6月29日 10時31分更新)
 
 県内のJRローカル線や地域鉄道について、県と県内十五市町の首長が路線を廃止せず「維持していくべきだ」と考えていることが、参院選に合わせて実施した本紙のアンケートで分かった。残りの二町長は「どちらとも言えない」と答えた。「維持は困難、代替手段を検討すべきだ」との回答はゼロで、ほぼ全ての首長が存続と利用促進に努める姿勢を鮮明にした。 (山本洋児)
 JR西日本は四月、利用者が少ない赤字十七路線の収支を初めて公表し、県内では小浜線、越美北線が含まれた。JR西は沿線自治体と存廃を含めた運営の在り方を協議したいとの考えを示しているため、県と県内十七市町の方針をアンケートで調べた。県などから経営支援を受けるえちぜん鉄道、福井鉄道を含め「今後も維持していくべきか」と質問した。
 「維持していくべきだ」と回答したのは県と福井、敦賀、小浜、大野、永平寺など十五市町の首長。JRの小浜線と越美北線、えち鉄、福鉄のいずれに関しても、廃線を視野にバス転換などの検討を始めている市町はなかった。
 多くのトップが地域鉄道に関し「暮らしを支える重要な移動手段」「脱炭素の観点からも重要」「北陸新幹線の開業効果を波及させるために不可欠」との共通認識を持っていた。
 小浜線の沿線では、敦賀市の渕上隆信市長が「嶺南は、嶺北と比べ道路だけでなく鉄道網も極めて脆弱(ぜいじゃく)。廃線は地域の分断を招く」と鉄路を守る姿勢を強く示した。小浜市の松崎晃治市長も「バスに代替された場合、観光振興やまちづくりにもマイナス」とコメントした。
 越美北線の利用促進に取り組む大野市の石山志保市長も「学生や高齢者ら、自家用車で自由に移動することのできない市民の生活を支える重要な移動手段」と鉄道の必要性を挙げた。福鉄の利用者が少なくない越前町の青柳良彦町長は「路線バスへの切り替えは利便性が格段に下がり、人口減に拍車がかかる」と見通し、単純な収支のみで路線存廃を判断すべきでないとくぎを刺した。
 「どちらとも言えない」を選択したのは池田と南越前の両町長で、いずれも非沿線自治体だった。
 アンケートは六月上旬〜中旬に実施。県と県内十七市町の首長から、いずれも書面で回答を得た。
 JRローカル線や福井鉄道、えちぜん鉄道の路線を今後も維持していくべきでしょうか?

 地域鉄道 新幹線や都市部の鉄道、在来線の主要幹線を除く全国の鉄軌道路線。「ローカル線」と呼ばれる。JR各社や大手・中小の民鉄、第三セクターが運営する。国が「地域鉄道事業者」と定義する中小鉄道95社のうち、8割が2019年度は赤字だった。


関連キーワード

おすすめ情報