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金沢大病院(金沢市) 小児科医・副院長 谷内江昭宏(やちえ・あきひろ)さん(68) 名のない病 解明に全力  

2022年6月28日 05時05分 (6月28日 11時12分更新)

「正しい診断で適切な治療を」と話す谷内江さん


 この世界には「名前のない病気」が、まだ数多くある。
 英語で「Syndromes Without A Name」。その頭文字から「SWAN(スワン)」と呼ばれる。小児科医となって約40年間、スワンと闘う子どもたちと向き合い、病態を解明するための研究を続けてきた。
 病名がなければ治療は始められない。検査所見などが合致しなくても、治療のために既存の病名を付けることもある。そうした「暫定診断」で真の病気を見過ごさないよう、「矛盾に目を向け、『宿題』として考え続ける」ことを大切にしている。
 20年以上前、原因不明の発熱と激しい腹痛に毎月襲われる女児を診察した。発作は2、3日で治まるものの、翌月また起きる。開腹手術をしても治らず、大きな「宿題」を抱えた。
 「もしかしたら」。医学書や論文を調べ続けてたどり着いたのは「家族性地中海熱」という病名。定期的に発熱発作を繰り返す遺伝性疾患で、地中海沿岸に多い。欧州では一般的だが、当時の日本ではあまり知られていなかった。
 治療薬はあった。痛風患者に使われるコルヒチンという安価な薬。女児に飲んでもらうと、発熱発作はぴたりと止まった。その後、10人以上を同じ病気...

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